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  [ 僕達の学園祭 3(R18) ]
2011-08-16(Tue) 13:00:40
阿久津城


どこから回ろうかとウツミと話していると、
廊下でマキを待っていた三波にくすりと笑われた。
「そのままじゃないといけないんだ?
 阿久津も笹崎君も、なかなか似合ってるよ。
 まあ、マキほどじゃないけどね」
井出に言われたような台詞を耳にする。
どこもかしこも惚気だらけでつい苦笑いした。

「ごちそうさん」
「もっと惚気ようか?」
「惚気はもう満腹だ。なあ、ウツミ?」

話を振るとウツミが軽く頷く。
同じことを思ったのか、ウツミも苦笑いした。

マキは裏方の女子に捕獲されて、
写真を撮らせてほしいと携帯で狙われてたっけ。
俺とウツミはそれらから逃げるように、
すたこらさっさと廊下にやってきたわけだ。

ようやく女子から脱出できたらしく、
マキはぐったりしながら、
俺達がだべっている廊下へとやってきた。
そんなマキが、三波を見るなり両目を輝かせる。
そして、人目を憚らずぎゅっと三波に抱きついた。

「時継さん、ごめんね遅くなって」
「大丈夫?どっかで休もうか?」
「平気。こうしていれば元気になれるから」

こんなに大勢人がいるのに、
普通に抱きついて普通に喋ってやがる。
堂々といちゃつける2人が、少しだけ羨ましい。
俺はいいけどウツミはすぐ照れるから、
こんなこと公衆の面前で絶対にできない。

やったとしたら間違いなくウツミに撲殺されるだろう。
なぜか、そんな自信があった。

羨ましそうに見ていたら、2人はそんな状態で、
さっさと歩いて去っていった。
去り際、またねと三波がこちらに微笑む。

「あいつら堂々としてるな」
「‥うん。あれは真似できない」
「カップルの数だけスタイルがあるからな。
 さてと、ウツミどこ行こうか?」
「‥ちょっと屋上で息抜きしたいかな」

疲れた顔で、そう呟いた。
ウツミは人に酔う時がたまにある。
それに、ギャルソンの格好もこれがまた窮屈だし、
かなり疲れたはずだ。

「ん、じゃあ行こう」
俺達は隠れるように階段を上がって、
こそこそと屋上へやってきた。
ウツミは新鮮な空気で深呼吸をしている。
すると、少しすっきりした顔になった。

「大丈夫か?」
「‥うん。ちょっと疲れただけ」
「人もいっぱいいたし忙しかったもんな」

俺はコンクリートに座った。
隣にウツミが座り、俺の肩にこてんと頭を乗せる。
一瞬、どきっとした。

「‥でも、すごく楽しかった」
「そうか」

ウツミがそう思ったなら、それでいい。
急に、何もかもに慣れなくていい。
少しずつゆっくり歩いていければいいんだ。
もちろん、2人で一緒に。

「‥さっきのマキ羨ましかったな」
「ウツミも同じことやるか?」
「‥ムリ。恥ずかしくて俺にはできない」
「どうして?やってみたら意外とクリアできるかもよ?」
「‥じゃあ考えとく」

ウツミは、リボンを外してシャツのボタンを開けた。
白い肌が見え、俺は思わず息を飲む。
こんなの見慣れているのに、格好が違うと色気も変わる。
コスプレが好きな人って、こういう感じなのかな。

「しっかり考えとけよな」
俺はウツミの足を、すりっと撫でた。
ウツミが体を震わせる。

「‥ちょ‥ジョー、いきなり触るなよ」
「言ってから触ればいい?」
「‥そういう問題じゃなくて‥んんっ」

言い訳をする唇を塞いでやる。
そして、俺は膨らみつつあるところを手で包んだ。

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