BLUE BIND
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Author:水色
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僕達の体育祭 (8)
青い空を見上げて2nd (48)
君、何を想う (9)
風のように遥かに (39)
魚心あれば水心 (6)
雲の上の輪廻 (4)
その雪景色窓辺より (42)
傷痕は誰が為の (13)
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その手はひとつじゃない (8)
青い空を見上げて3rd (70)
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蒼空と流星の狭間 (30)
見知らぬとこで七色が (42)
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最終更新2013.6.2
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私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
小児ガンや無毛症、事故等で、
髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 見知らぬとこで七色が 3 ]
2011-10-29(Sat) 09:40:00
「っと、セーフ」
力の抜けた体が支えられる。
それは、カップルのどちらでもなく、
どこからか現れた手だった。
サングラスをずらした男が笑いかけてくる。
意識が朦朧とし、顔がぼんやりして見えなかった。
判るのはサングラスをした男ということと、
虹がモチーフのキャップを被っているということだけ。
「この人どうしたの?」
男は顔を上げ、俺ではなくカップルに聞いた。
その時、ぽつりと雨が降ってきた。
雫が落ちて顔を濡らす。
体が辛いというのに雨が降ってくるなんて。
タイミングの悪さにも程があるだろう。
「具合が悪そうだったんで僕達は声をかけたんです」
「でも、大丈夫だからの一転張りで、
そしたら、ふらっとして倒れそうになって‥」
「そうだったんだ。あとは俺が引き受けるよ」
男は澄んだ声で言った。
引き受けるとかなんとかって俺は物じゃないっつーの、
って言いたいのに言えなかった。
雨音が少しずつだけど確実に強くなってきた。
雨に晒されたら俺は死ぬしかない。
生きることさえもどうでもよく思えてきてしまい、
俺はつい自嘲気味に笑った。
「え?いいんですか?」
「大丈夫。ちゃんと対応するから」
「あの、おじが往診専門の開業医なので、
よかったら連絡先教えていいですか?」
「それは助かる。メアドの交換しようか」
そいつは俺を抱き止めたまま、
カップルの男の子とメアドを教え合った。
ぱちん、と耳元で携帯を畳んだ音がした。
ふん、今時ガラパゴス携帯かよ。
パスワードが判らないから使えないけど、
俺なんかでさえスマートフォン持ってるっての。
それとも流行している2台持ちってやつか。
「ありがとう。あとで連絡するから」
「はい」
「よかったね、康太」
「そうだね、風音」
ちくしょう、何もかもが悔しい。
せめて男の顔を見て拝んでやる。
男は俺と目が合い、爽やかに笑った。
しかも、男は、雨が当たらないように俺を覆っていた。
そのスマートさにむかついて、俺は拳を握る。
「大丈夫?」
「当たり‥前‥だ‥」
ここから先の記憶が無くなった。
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