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  [ 見知らぬとこで七色が 7 ]
2011-11-07(Mon) 07:35:04
何でこんなとこで赤くなるんだ俺。
もしや、俺ってそっち系なのか。
付き合ってきた人も判らないし、
今の俺にはもちろんそんな思い出もない。
でも、たぶん女の子は好きだし、
何回かそれなりに交際もしてはいる。
だけど、女の子は、面倒臭いって記憶しかない。

俺の体を拭く男を、こうして観察すると、
体つきはいいし逞しいし、顔立ちも格好いい。
こういうのを、イケメンって言うんだろうな。

ベンチに現れた時、キャップとサングラスをして、
まるでわざと顔を隠しているようだった。
モデルっぽい気もするけど、どうなんだろう。

「どうした?」
「何が?」
「さっきから俺をじっと見てるから。
 タオル熱かった?それとも拭く力が強いのかな?」

男はナチュラルに優しい。
親切心に、絆されそうになる俺がいる。

「いや、大丈夫」
「そうか。背中終わったから腹拭くよ」
「うん」

絞られた熱いタオルが、首を滑り、
首から肩、胸、腹にかけて拭かれていく。
あまりの気持ちよさに、思わず吐息を漏らした。

「はあ‥」
「何かやらしい声だね」
「別に俺‥そんなつもり‥っ」
「あはは、冗談だよ」
笑ってやりすごす男に、俺も笑う。

体がさっぱりするのを感じつつ、
拭かれれば拭かれるほど体がむずむずした。
それに、意識すればするほど緊張もする。

俺に触れるのはタオルだけじゃなくて男の手もで。

体を拭くタオルより男の手に、なぜか意識が集中する。

タオルなんかよりも、触られたところが熱い。

「下も拭く?どうする?」
ズボンを引っ張られて俺は赤くなった。

「いいよ」
「じゃあ拭こうか」
「いや、そっちのいいじゃなくて、
 やらなくていいのいい」
「そう?だったら服着ちゃおう」

残念そうな表情で、首を竦めて笑う男。
そして、スエットに着替えるのを手伝ってくれた。
さっきとは色違いのスエットだった。

「タオル置いてくる」
洗面器を持って部屋を出ると、
男はスポーツドリンクと新しいアイスノンを手に、
ここへ戻ってきた。

「はい、どうぞ」
「どうも」

ペットボトルを傾けてちびちびと飲む。
俺のこんな姿ですら、男はにこにこと眺めていた。

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