BLUE BIND

BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
  [ 見知らぬとこで七色が 13 ]
2011-11-20(Sun) 08:15:26
どくん、と胸が鳴る。
跳ねた心臓が出そうで、口を思わず手で覆った。
コウはつまり、こういう趣味ってことだ。
俺は息を吸い、息をゆっくり吐いた。
少しずつ心臓が静かになる。

別にこれくらい驚くことじゃない。
性癖なんて関係ない。
そんなの、どうだって言うんだよ。
コウはコウなんだから、それでいいじゃん。

自分に、そうやって強く言い聞かせながら、
DVDと本を棚に納めた。
それにしても、男同士でもあんな行為ができるのか。
そんなことを考えていたらソレが勃った。

「あはは‥我ながら情けない‥」
と呟きながらもずっと抜いてないことを、思い出す。

ああ、もう、そんなことは思い出せるのに、
昔のことは判らないって、どういうことだよ。
髪をくしゃくしゃに混ぜた。

とりあえず、最初にやろうとしたことを遂行しよう。
俺はトイレへ行き、用を足す。
そしてまた、テレビを見ながらストレッチを始めた。

ふと、テレビ台にDVDプレーヤーがあるのを見つける。
どうして今になってこんなの見つけちゃうかな。

俺は今、すごく試されている。
誰にってそんなの決まってるだろう。

これは、もう、あれか。
コウがいないうちに抜けというお告げなのか。
できれば女の子がいいけど、
状況が状況だし、抜けるならこの際どうでもいい。

立ち上がってDVDに手を伸ばそうとした。

その時だった。

ドアの鍵が開いて、ドアが開く音が聞こえた。

やばい、コウが帰ってきた。
慌てて俺は、テレビ前に座った。

「ただいま」
「おかえり。もう仕事終わった?」
「いや。仕事の資料、忘れたから取りにきたんだ」
「そっか。じゃあまた出かけるんだね」
「ああ。これから打ち合わせがあるから」
「そう。頑張って」

言うとコウは笑い、家を出た。

なんだか抜く気が萎えてしまい、
レンジで温めたシチューを食べて、
そのまま寝ることにした。

次話へ 前話へ

1話~13話までエロなしだったのは、
風のように遥かに、以来です∑(´□`;)


お気に召しましたら一票お願いします。
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
見知らぬとこで七色が | TB:× | CM : 0
見知らぬとこで七色が 12HOME見知らぬとこで七色が 14

COMMENT

COMMENT POST

:
:
:
:



 
 管理者にだけ表示を許可する


copyright © 2024 BLUE BIND. All Rights Reserved.
  
Item + Template by odaikomachi