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  [ 見知らぬとこで七色が 18 ]
2011-12-02(Fri) 04:40:27
コーヒー3杯はさすがにきつい。
腹にカフェインがたぷたぷと溜まった。
3杯で2時間は稼いだ。
それでも、雨天が晴れる気配は見られない。

コンビニでもあれば傘をゲットできるのに、
それも見当たらない。
コウの家からここまでの道のりで、
コンビニは1件だけだった。
それも、コウの家寄りだから意味がない。

さて、そろそろ覚悟決めるとしよう。
カフェを出てさっさと帰るために、
俺は雨の中を飛び出し、早足で歩いた。
心なしか雨が強くなってきた。

大通りにある信号でストップする。
どっちに行けば戻れるんだっけ、
と地図を確認するために取り出した。
瞬間、強風が吹いて地図が飛んだ。

「ちょ‥マジかよ!こら!待て!」
紙にそんなことを言いながら追いかける。

すると、地図は、マンホールの上に落ちていった。
マンホールに溜まった水によって、
びっしょり濡れてしまいインクが滲んでしまった。

さっと血の気が引いた。

これがないと帰り道が判らない。

どうしよう。

雨がもっと強くなり、俺のことを容赦なく濡らす。
仕方なく公園にターンし、公園のトイレで雨宿りした。

着ているシャツも皮ジャンも濡れている。
寒くてがたがたと震えてきた。
タオルで体を拭いたけど、こんなの焼け石に水だろう。

トイレの出入口から、空を見る。
空が怒っているかのように真っ暗なままだった。

はあ、何やってんだろ俺、
と溜め息をつこうとしたら歯が震えた。
あまりにも寒くて死にそうだった。

このまま警察行こう。
死ぬよりは楽だしマシだろう。

何から何まで、ついてない。
そんな自分の運に苦笑いしながら、
一歩踏み出した瞬間。

「エン!」
遠くからコウの声がした。

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