BLUE BIND
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Author:水色
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私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
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髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 見知らぬとこで七色が 19 ]
2011-12-03(Sat) 08:30:00
ビニール傘を持ったコウがこっちに駆け寄ってくる。
突然のコウの登場に、俺はびっくりして固まった。
「コウ、どうしてここに?」
「エンこそ何してんだ。びしょ濡れじゃないか」
「ごめん、実はあの傘なんたけど‥」
「これだろ、ほら」
コウの手には、女の子に貸した傘があった。
どうしてそれをコウが持っているんだろう。
何から何まで、何がどうなっているのか判らない。
聞く前にコウが先に答えてくれた。
「これはオリジナルデザインのもので、
同じものは誰も持ってない。
それなのに、知らない子がこれを使っていたから、
話しをちょっと聞かせてもらったんだ」
そして、女の子にはビニール傘を買ってあげて、
オリジナルの折り畳み傘と替えてもらい、
傘がないであろう俺のことを探していたという。
俺は泣きそうになって声を詰まらせた。
いつもコウに迷惑かけてばかりだ。
きっと仕事中だったのに、女の子の傘を見て、
俺のことをこんなに気にかけてくれた。
それだけで、もういい。
「もういいよ、コウ。
俺これから警察に行ってくるよ」
「え?どうして?」
「歩けるようになったら行くつもりだったんだ。
だって、記憶が戻るのがいつか判らないからさ、
それまで世話になれないし」
「そんなの今じゃなくていいからまずは帰ろう」
「もういいから放っておいてよ!」
腕を掴んできたコウの手を払った。
瞬間、俺の目からぽろぽろと涙が溢れてきた。
泣くなんて男らしくないし情けないけど、
どうしても止まらなかった。
すると、コウが微笑んだ。
「俺はエンのこと放っておかないよ」
どうして俺にこんなに優しいのか。
警察に行く決心が、ぐらぐらと揺れてくる。
行かなきゃいけないって思っていたのに。
コウの傍にいたい。
コウから離れたくない。
コウが俺に笑いながらまた腕を掴んでくる。
今度は、それを振り払えなかった。
それどころか、込み上がるもので胸が苦しい。
胸がどきどき鳴ってうるさい。
うるさくて苦しくて切なくなった。
「まずは帰ろう?」
「‥うん」
俺はコウと共に、傘に入って家に戻った。
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