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  [ 見知らぬとこで七色が 34(R18) ]
2012-01-11(Wed) 09:25:06
食料やアルコールをスーパーで購入し、
凛の家にUターンしてすぐに飲み始めた。
そうしながら、積もる話を始めた。
「スタジオクローバーで仕事してるなんてすごい」
「専門卒業後、働きたくたしつこく頼んだから。
 四葉さんとは上手くいってるし、すごく勉強になる」
「そうか、よかったな。俺まで嬉しい」

ほろ酔いの凛は、俺がクローバーに勤めていることを、
己のことのように喜んでくれた。
当の凛は、あんまり自分のことを話題にしなかった。

バイトのことに触れられるのがイヤなんだと思う。
親の借金の為と、店の為に、あんなことしてるんだから、
話題にしないのが当然だろうけど。

胸がずきんと痛んだ。
苦しくて胸元のシャツを握ると、凛がふと近づいた。
「桂馬、どうした?キスしたくなった?」

不意打ちのような言葉に、つい真っ赤になった。
「どうしてそうなるんだよ」
「俺がしたいから桂馬も同じかなってさ」

照れながら笑っている凛。
こいつ、こんなキャラだったっけ。
結局はヤンキーでも総長でもなかったけど、
こんなに可愛いとは予想外だった。

でも、まあ、キスをしたくないわけじゃない。
俺から寄って、ちゅっとキスをした。

「桂馬、あっち行こうよ」
まだ昼間だけど、布団に誘われて笑顔で返した。

布団に寝て無言で、キスをする。
キスしながら俺は服を脱がされていった。
やっぱり慣れてるなと思う。

笑顔も含め全部、俺だけの凛にいたい。

でも、バイト辞めてくれとは言えない。

凛の笑顔が辛い。

俺にできること何かないだろうか。
その時だった。
頭上の電球が、ぴんと閃いた。
「凛はいつまでバイト休んでられる?」

俺のソレを舐めながら、長瀬が返答する。
「あと2週間かな」

困ったように答えが返ってきた。
それだけあれば、たぶん十分だろう。

「その2週間で運命変えよう」
「どういう意味?」
「バイトしないでいいようにしてみせる」

長瀬は、諦めたように笑った。
「それは無理だって」
「やってみなきゃ、そんなの判んないだろ」

カレーうどんを拭いてもらって礼をするなら、
今しかないと思った。
そう、俺にとって最大限のものを使ってでも。

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