BLUE BIND
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NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 見知らぬとこで七色が 40(完) ]
2012-01-31(Tue) 09:00:00
後日、凛はバイトを辞めることになった。
バイト先のお偉いさんから、
かなり惜しまれたらしいってことを聞いて、
めちゃくちゃ面白くない気持ちになった。
あと、来月からバイトを募集するらしい。
業務が忙しくなってきて仕事が回せないとのこと。
今日の撮影は、雨が降ってきて早く終わり、
店にきてそんな話をしていた。
どしゃ降りだった雨はそろそろ止みそうだった。
「ところで、こっちは安定しそう?」
「ほとんど借金が返済できたからね」
「バイトの適材がいるんだけど紹介していい?」
「ぜひ頼むよ」
仕事が多忙で、通販や発送の作業に、
手が回らないと凛が言っていた。
そこで、忙しい時だけでも働いてくれる、
都合のいいバイトを紹介することにした。
バイトしたいと言っていたやつらを知っている。
すぐに了解するだろう。
そこで、レジに客がきた。
会計が終わると店内に誰もいなくなった。
凛の隣に座り、店の中を見る。
シャツやグッズのモチーフは虹がメインになっていた。
どうしてモチーフを虹にしようと思ったんだろう。
「あのさ、何でモチーフが虹なの?」
「‥ああ‥うん、何となくいいなって思って‥」
もごもごと口籠っている。
何か隠しているその言い方が、とても気になった。
「何?ちゃんと言ってよ」
凛は恥ずかしそうに俺を見て、頭を掻く。
そして、頬を赤らめると目を逸らし、
ぼそぼそと言いたくなさそうに言った。
「俺達の出会い、どうだったか覚えてる?」
「カレーうどんだろ?俺のほっぺを拭いてくれた」
「その時の俺って、すごい金髪だったでしょ?」
「うん、そうだね」
ここまで言えば判るよな、とでも言いたそうな目。
俺にはサイコメトリーの力なんてないんだ。
よって、そんな目をされても判るはずがない。
「それで?」
「桂馬さ、こう言ったの覚えてる?
七色の黄色が、そういう金色だと格好いいなって」
「俺そんなこと言ったっけ?」
「その時見ていた雑誌が、風景画の虹特集だった」
言われてみればそんな気がする。
確かそれって四葉さんの本だったよな。
それにしても、と思い口を開く。
「そんな細かいことよく覚えてるね。
もしかして俺に惚れてたとか?」
笑いながら言うと、とうとう凛が真っ赤になった。
試しにちょっと言っただけなのに、マジだったらしい。
凛の照れが俺に伝わり、こっちも真っ赤になった。
どきどきして胸が切なくなってくる。
ああ、やばいよ、どんだけ俺のこと好きなんだよ。
そして、俺もどんだけ凛のことが好きなんだか。
胸のどきどきに耐えていると、凛がこう言った。
「俺、桂馬と会ってすぐに好きになったんだ。
でも、その時にはもうあのバイトで働いてたし、
桂馬にもそういう迷惑かけたくなかった。
でも、連絡できなくなった前日、
どうしても気持ちが我慢できなくて、
酔ってテーブルで寝ていたお前に‥キスした‥」
まかさ、そんな出来事があったとは。
知らずに驚いた。
凛は、俺を見ないまま話を続けた。
「それを実は桂馬は知ってて、
メールも電話もこくなったのかなって観念してた」
悲しそうな目をした凛。
当時、付き合っている人が俺にはいた。
凛は認知しながらも俺に片思いをしていた。
しかも、そんな思いを抱きながら、
既にバイトしたりDVDにも出ていた。
片思いしていた気持ちを、
どうしてもっと早く打ち明けてくれなかったのか。
今でこそそう思えるけど、当時の凛の気持ちは、
さぞかし苦しかっただろうと思う。
それなのに、凛はどうしてこんなに穏やかなんだろう。
俺が凛なら、それらに耐えられるだろうか。
それは愚問だった。
俺は俺で、凛は凛だ。
だからこそ、俺達は出会え、こういう関係になれた。
それでいいじゃん、なあ。
その時だった。
俺の腹が、ぐうっと鳴った。
格好悪くて赤面する。
「あはは。ごはん食べに行こうか」
膝に置いていた手に触れようと、凛の手が迫る。
咄嗟に、俺はさっと避けた。
凛に触られたら体が熱くなってしまう。
だから、店とかであんまり触ってほしくない。
それを勘違いされ、唇を尖らしながら少し怒られた。
「触られるのイヤなら言ってよ」
レジの隣にあるパソコンを打っていた音が、
ちょっとだけ強くなったように感じる。
俺がイヤがって避けたと思っているようだ。
「イヤじゃない‥」
「なら避けたのは何で?」
「俺、おかしいんだ。
触られたところが熱くなるんだよ‥」
入力をしていた両手が、ぴたりと止まった。
無表情で、凛が俺にまた手を伸ばす。
怒られるのがイヤでもう避けることはしなかった。
凛の手が、手から腕へ、腕から頬へ、
つつっと滑りながら上がっていく。
触られたところが熱い。
うっとりする気持ちよさが伝動してくるようだ。
「‥ん」
ぴくりと少し震えて唇を噛んだ。
その唇を柔らかくするかのように唇が当てられる。
今にして思えば、俺をベンチで支えてくれた時、
大きいこの手によって助けられたっけ。
そんなことを考えていると、唇がすっと離れた。
「ごはん行こうか」
「うん」
互いに照れながら外へと出ると、雨はもう止んでいた。
遠くの空には、大きくてキレイな虹がかかっている。
何色でもあり何色でもない。
俺達の世界に、彩をそっと咲かせてくれる。
そんな七色が微笑んだ。
前話へ
見知らぬとこで七色が、これにてお終いになります。
長らくお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
ミステリ好きの私としては、
1つの作品を読み返して頂けるものを書いてみたい、
と思ったのがきっかけでこれを作りました。
BLでミステリは難しかったですが、
難しい分だけ楽しかったです。
読んでみれば何てことない、ただの普通のBLですが(笑)
それでも、あちこちに伏線やらヒントやら描写しながら、
どきどきしていました。
まあ、こういうのは小説だからこそできる小技ですよね。
だからこそやってみたかった、が本音です。
そこら辺やエロも含めて、少しでも楽しんで頂けたら本望です。
ここまでお読み頂きました皆様へ、
僭越ながらまたもやボーナストラックを用意しました。
2人の後日の、どたばたした日常となっています。
あんなキャラやこんなキャラも登場するかもしれません。
よろしければ、もう少しだけお付き合い下さい。
それと、ここ数日でたくさんの拍手頂きました。
どなた様かは存じませんが、ありがとうございます!
拍手に応えられるよう精進します!
見知らぬとこで七色が ボーナストラック
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