BLUE BIND
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Author:水色
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僕達の体育祭 (8)
青い空を見上げて2nd (48)
君、何を想う (9)
風のように遥かに (39)
魚心あれば水心 (6)
雲の上の輪廻 (4)
その雪景色窓辺より (42)
傷痕は誰が為の (13)
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その手はひとつじゃない (8)
青い空を見上げて3rd (70)
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蒼空と流星の狭間 (30)
見知らぬとこで七色が (42)
決めたゴールを走れ (93)
ゴールの先に在るもの (11)
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髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 決めたゴールを走れ 3 ]
2012-02-09(Thu) 10:15:00
ピットでマシンチェックしていると、
そこに無愛想な顔で後藤野さんがきた。
研修前にここで会って以来だった。
俺は手を止め、後藤野さんの会釈をする。
「お疲れ様です」
「チーフってどいつ?」
「あ、俺です」
そう言うと、後藤野さんの雰囲気が、
ぴりっと冷たくなったように感じた。
俺を見ていた目が鋭くなる。
「名前は?」
「前澤聖です」
「あっそ。マシンだけいじればいいから。
俺のことは構ってくるなよ」
睨んだまま去っていく、後藤野さん。
メカニックが構うのはレーシングカーだ。
ドライバーなんかに構ってる暇なんてないのに、
どうしてそんなことを、わざわざ言うのだろう。
「何ですかねあの人」
喋りかけてきたのは瀧だった。
いらついた口調からして、
後藤野さんのことが面白くないようだ。
「ドライバーって、みんなあんな感じなんですかね。
メディアが相手だと愛想いいのに」
スパナを回しながら、小さく三木谷が言った。
狭いピットでの声は、みんなに届いていた。
それに加えて、後藤野さんのあの態度が、
メカニックチーム内の印象を悪くしたようだった。
まあ、横柄そうなあんな態度をされたら、
誰だってイヤに思うに決まっているか。
「言わせておけばいいさ」
「チーフはむかつかないんですか?」
「俺達の仕事は、レーシングカーのコンディションを、
最高のものに仕上げることだよ。
ドライバーと仲良くすることじゃない。違うか瀧?」
マニュアルを見せると、瀧はつまらなそうに拗ねた。
「そりゃそうですけどね」
瀧がこうやって口にしてくれたことで、
ピット内がちょっとだけ静まった。
メカニック全員の思いを瀧が代弁したことになり、
それでみんなの気持ちも沈静化されたようだ。
俺はマニュアルを見せながら、
三木谷と瀧にやることに指示を出す。
レンチを手にして、セッティング箇所の確認をしていると、
ピットに監督がやってきた。
「どうだ?仕上げは順調か?」
「あ、はい。
サスペンションについて相談していいですか?」
「いいぞ。サスペンションがどうした?」
マニュアルと走行データを見比べながら、
軽量化について相談させてもらう。
相談している最中、ふと顔を上げると、
後藤野さんがピットの外からこっちを睨んでいた。
その目は冷たく、恐ろしいほど鋭い。
俺どころがメカニックチームを嫌っている、
それが瞳に表れていた。
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