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  [ 決めたゴールを走れ 32 ]
2012-03-21(Wed) 09:45:00
予選タイムは6位、本戦タイムは5位だった。
もうちょいで表彰台だったがレース自体はよかった。
ウイングと風の波長が合えさえすれば、
スピードがもっと乗ることがデータで判った。
光さんの走行に手答えを感じたのか、
監督もオーナーもいい表情をしていた。

前回同様、光さんがヘルメットを取って、
みんなにタッチしていく。
最後に、俺の横に立ち、ばしんと尻を叩かれた。
前回の監督の真似だ。

それを見たみんなが、あははと楽しそうに笑う。
叩かれた俺もつられて笑った。

すると、監督がこんな発言をした。
「今日は、みんなで飲みに行こうか」

前回と今回のレースの合間に休日はなかったが、
それでもみんなが愚痴らずに頑張ってきたことで、
監督とオーナーがそう提案してくれた。
次回レースも頑張ろうという意味合いだろう。
ありがたい提案にスタッフみんなで大喜びする。

飲めないんだよな俺、俺サワーが飲みたい、
刺身のある居酒屋がいい、とピット内が騒ぎ出した。
これだけいると、まとまる意見もまとまらない。

すると、オーナーが場所をさっさと予約してしまった。
オーナーと監督行きつけの高級鍋屋らしい。

「ほらほら!さっさと片付けるぞ!」
監督の台詞で、片付けをさっさと終了させる。

ミーティングは明日の午後にすると監督が決定したのもあり、
テンションがハイを通り越してマックスになる。
そんなテンションだと仕事のスピードもアップするのか、
簡単なメンテナンスもすぐに完了してしまった。
そして、俺達はトランスポーターですぐ着替えて、
タクシーで乗り合いをして、飲み会へと繰り出した。

着いた店は、チェーン店だが高級感が漂っている。
オーナーのお勧めは味噌味のもつ鍋とのことで、
オプションでそれを盛り込んでもらったらしい。

大人数用座敷に、チーム全員勢揃いする。
みんなが座っている中、監督がビール片手に、
よっこらしょっと言いながら立った。

「堅苦しい挨拶はなしにする。乾杯!」
俺達はその合図で、グラスを合わせる。
隣の光さんはビールを飲み干し、俺にえへへと笑った。

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