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  [ 決めたゴールを走れ 36 ]
2012-03-25(Sun) 06:00:00
俺はふらふらしながら歩いた。
「おっと、俺こんなに飲んだかな」
わざとらしく独り言を言ってみる。
そして、前チーフの隣まで行ってから、
足をふらつかせて体がよろけさせた。

「あわわっ」
どん、と前チーフにぶつかって倒れてしまった。
2人で揃って道路に倒れる。

「こら!痛いだろ!何すんだ!」
前チーフは起きながら、そう怒鳴った。
ぱんぱんと服を叩きながら、汚れを取っている。

「あはは。すみません。飲みすぎて倒れました」
頭を掻きながら俺も起きた。
服もちょっと汚れたけど気にならない。

「ケガしてませんか?」
「何だよお前!」
「ただの酔っ払いです」

おぼつかない足で再び近づいていく。
すると、警戒したのか後退された。
それにも関わらずゾンビのように迫っていくと、
マンホールにつまづいた。

「あわわわっ」
「くるな!くるな!うわあ!」

また前チーフへと倒れていった。
どんがらがっしゃん、とありきたりな音を響かせながら、
揃ってごみ箱にダイブする。

その時、前チーフの肘が、俺の頬を突く。

ごり、とイヤな音が響いた。

じんじんと頬が痛んできた。
口の中から血の味がする。
クリティカルヒットを食らってしまったようだ。

そっと頬を撫でると、前チーフが慄いた。
「俺は悪くない!お前が悪いんだ!」

少しちびったような顔になっていた。
暗がりであんまり見えないだけで、
もしかしたら前チーフはマジで漏らしたのかも。
そうだとしたら、ちょっとうける。

「男を襲う割に、かなりの小心者なんですね」
そう言うと、前チーフの瞳孔が広がった。
怯えたまま警戒態勢に入ったらしい。

「チームESの関係者なのか?」
「さあ、どうでしょう」
「それを知ってるならそれしか考えられない」
「だったらどうします?俺のことも襲いますか?
 それとも、出るとこに出ましょうか?」

前チーフの声が、詰まったように聞こえた。

その時だった。

俺の隣に、誰かが立った。

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