BLUE BIND
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水色も伸ばして寄付する予定です。
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 決めたゴールを走れ 38 ]
2012-03-27(Tue) 06:00:00
光さんがコンビニを見つけて、行きたいと言った。
店員だけのコンビニへ入店すると、光さんから離れていく。
どうやら、引っ張らなくても足が動くようだ。
何を買うのかと後を着いていくと、
消毒液にガーゼに絆創膏を、迷いもなく手にした。
たぶん、俺にこれを使うんだと思う。
「そんなのいいですよ。舐めれば治りますから」
「うるさい。そこから菌が入ったら俺が困るんだよ」
「どうしてですか?」
「つべこべ言うな。いいから消毒くらいさせろ」
これが今流行りの、ツンデレってやつか。
それよりも、こんなのケガの内に入らないのに、
舐めれば治るって言っても、むすっとされるだけだった。
少なからず罪悪感を感じているらしい。
やりたいようにやらせないと気が済まないんだろう。
レジで会計をしてタクシーでホテルを目指す。
フロント脇でまだオープンしているバーに目もくれず、
光さんはフロントへ向かった。
「ホテルのバーを過ぎましたけど?」
「そんな顔でバーに入れるか」
そんな顔とはどんな顔なのか。
光さんがフロントに行っている間、
ラウンジに飾ってある鏡をじっと見つめた。
頬と唇、目の脇も、何だかちょっと腫れている。
ははは、確かにこんな顔では、
バーなんかで飲み直しはできないか。
アルコールがいい消毒になるかと期待したんだけど、
そうはいかないようだ。
しかし、相変わらずいいホテルに宿泊している。
光さんと前に、こういう高級ホテルで宿泊したんだよな。
それを思い出して俺は笑った。
「おい、聖。何にやにや笑ってんだ?」
この呼ばれ方にも、かなり慣れた。
そう思うとにやにやが止まらなくなった。
「いえ、別に」
「あっそ。ほら行くぞ」
「あ、はい」
フロント奥にあるエレベーターを上がって、
静まっている廊下を歩いていく。
深夜だからだろうか廊下はダウンライトのみだった。
薄暗い廊下を前進し、光さんがふと止まる。
止まったとこのドアにキーを差すと、かちんと音がした。
ドアを開けると、部屋の明かりが自動で点く。
なるほど、こういう仕組みってのは便利だ。
やっぱり暗い部屋に入るよりも、明るい部屋に入るほうが、
帰ってきたって感じがするもんな。
「おじゃまします」
言ってから入ると、ぷっと笑われた。
「今更だろ」
「それでも礼儀として一応」
「そうか。ほら、奥のベッドに座れ」
「あ、はい」
言われたようにベッドへ座った。
向かい合うように、光さんが手前のベッドに座る。
光さんはベッドルームの明かりをオフにして、
変わりにサイドのスタンドライトを灯した。
深夜という時間柄、このほうが目にも優しかった。
光さんは消毒液を手にして、
畳んだホテルのティッシュに吹きかける。
そして、頬にそれを近づけてきた。
「じっとしてろよ」
言われた通り、じっとする。
きっと染みるだろうと思っていると、
やっぱり凄まじく染みた。
「いたたたっ」
「オーバーだな」
「いや、これマジで痛いんですけど」
「これでもか?」
再びティッシュが当てられる。
さっきと同じくらい染みて、思わず俯いた。
「あいたたたっ」
「あはは、悪い悪い」
俺はここでようやく悟った。
光さんは楽しんでいると。
このままだと消毒液を直接かけられかねない。
そんなことをされたら、俺は床をのた打ち回るだろう。
のた打ち回れるほど、高級ホテルの絨毯はキレイだ。
だけど、格好悪いしさすがに勘弁願いたい。
そうなる前に距離を置くことにした。
「もういいです。やっぱり舐めて治します」
むっとした光さんが迫ってくる。
再びティッシュを当てられるのかと思った。
ふざけるなと怒られるのかとも思った。
そのどっちでもなかった。
俺の口の脇を、光さんが舐めてきた。
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