BLUE BIND
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Author:水色
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僕達の体育祭 (8)
青い空を見上げて2nd (48)
君、何を想う (9)
風のように遥かに (39)
魚心あれば水心 (6)
雲の上の輪廻 (4)
その雪景色窓辺より (42)
傷痕は誰が為の (13)
星が刻んだ未来さえ (69)
その手はひとつじゃない (8)
青い空を見上げて3rd (70)
僕達の学園祭 (8)
蒼空と流星の狭間 (30)
見知らぬとこで七色が (42)
決めたゴールを走れ (93)
ゴールの先に在るもの (11)
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最終更新2013.6.2
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と思ってリンクを繋ぎました。
小児ガンや無毛症、事故等で、
髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 決めたゴールを走れ 48 ]
2012-04-07(Sat) 06:00:00
結局、片付けと掃除だけで、
オフはあっという間に終わってしまった。
サーキットへ行くとピットにみんな揃っている。
やる気を漲らせたような顔で立っていた。
「チーフ、新しいウイングが揃いましたね」
組み立てたレーシングカーを目の前に、瀧が言う。
新しいウイングが揃った、というのは、
後部ウイングのパワーを発揮できるよう、
開発してもらった前部ウイングが完成したからだ。
先程、それをマシンに取り付けたばかりだった。
パソコンでシュミレーションしてみたら、
空気の流動も圧力の状態も、パワーアップしていた。
スーパーコンピュータがないから、
スピーディで正確な計算はできないものの、
シュミレーションだけでも立証されれば充分だろう。
「そうだな。優勝できる可能性はまだある。
気合入れて最後まで頑張ろう」
「はい!」
俺の声に、みんなが一斉に返事をした。
そこへ、光さんが入ってきた。
いつもと変わらない顔で、みんなに挨拶をする。
当然、俺にさえもいつもの顔をしていた。
「メカニックは気合入ってんな」
「新しいウイングが揃いましたからね」
「そんなに変わって見えないけど、
パワーはきっとすごいんだろうな」
「前部ウイングはパワー重視ではなくて、
フィット重視で開発が製作しましたから、
光さんのテクニックを生かしてくれますよ」
そう言うと、光さんはウイングを撫でた。
光さんに応えるように、ウイングが光ったように感じた。
パワー重視ならば、軽量するなり大型にするなり、
どうにでもすることができる。
だけど、前部ウイングはフィット重視型だ。
走行を分析し、光さんの体重やマシンの重量を考えて、
このウイングが完成したという。
だからこそ、少しばかり重みもあるし、
大型ではなくあえて小型にもなっている。
これなら、光さんのスピードは必ずアップするだろう。
「そうだ。おい、聖。ちょっときてくれ」
「あ、はい」
呼ばれるがまま光さんに着いていく。
トランスポーター裏に連れていかれると、
光さんが口脇を舐めてきた。
まさか、こんなところで舐められるとは思わなくて、
ただびっくりするだけだった。
「傷がまだ残ってる。治るまで舐めるからな」
舐めるだけ舐めて、言うだけ言うと、
光さんは嬉しそうに去っていった。
まだしばらく光さんは舐めてきそうだ。
やっぱりレース中もなのだろうか。
期待と不安と困惑に、俺はぶるっと震えた。
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