BLUE BIND
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
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寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 青い空を見上げて2nd 7 ]
2010-07-01(Thu) 06:25:17
笹崎侑津弥
中間テストを返される以外は、何ら変わらない日。
目覚まし時計に起きろと急かされ、朝ごはんを食べて、
いつもと同じ時間に家をあとにする。
いつもと少し違うのは、ジョーの小言があることだ。
それは、昨日の午後の出来事。
ジョーと大きな街へいった。
洋服をジョーに見繕ってもらい、まず一着目を購入する。
カフェで休憩してから、さっきとは別の店にむかっていると、
服が入ったバッグがないことにジョーが気が付いた。
ジョーがカフェに置き忘れてきたらしい。
俺のが早いから取りに戻るよ、と言ったけど、
いいからいいから、とジョーがカフェへ走っていった。
忘れてきてしまった責任を感じているみたいだった。
ジョーの足からして、たぶん往復10分くらいだろう。
俺はその間、人通り少ない歩道の端っこで、
ぼーっと空を眺めていると、一眼レフを持った男性に、
写真を撮らせてほしいと声をかけられた。
雑誌でイケメンを特集しているらしく、
イケメンじゃないから、と断わったけど撮られてしまい、
名刺を渡されて雑誌名を告げると、男性は去って行った。
「ウツミは油断しすぎだ」
「ぼーっとしてて隙がありすぎるんだよ」
「他人にはもっと警戒しろ」
と、昨日からもう何回も、ジョーに言われていて、
ひたすら俺は頷き続けていた。
桜通りを抜けて学校へ入ると、げた箱で荒本に会った。
挨拶もそこそこに教室へあがっていく。
何もかもがいつも通りの、平穏な月曜。
「ウッチ、阿久津、おはよーさん」
仁志が、泥だらけのシャツで寄ってきた。
サッカーの朝練後らしく、これから着替えるらしい。
ジョーの斜め前にある、仁志の机上に、
キレイなシャツが置かれてあったから判った。
さすがに短パンは替えないらしい。
汚れたシャツをカバンに入れて、パンを頬張った仁志は、
どうやら、本鈴が鳴るまで軽食を取るみたいだ。
シャツのみの交換にがっかりした女子が、
一斉にあーあという表情になった。
そんなに男の着替え見たいもんなのか。
「おっす」
「‥おはよう」
ジョーが席についたのを見て、俺も引いたイスに腰を下ろす。
「なあなあ聞いてくれよ。
校長室に、アメリカ人がいるのをさっき見たんだ」
「へえ。女?男?」
「2人いて、どっちも男だったと思うけど」
仁志は、パンを食べ終えて水を飲むと、次のパンを手にした。
「そうか。たぶん交換留学かもな」
「テスト戻ってくる日にか?」
「だってそれしか考えられないし、校長はあれで意外と、
人をびっくりさせるの好きそうだから、やりかねない」
ジョーって、何でこんなに校長のこと詳しいんだろう。
校長のこと詳しく知ってる生徒なんて、あんまりいないよな。
俺のその考えを読んだのか、ジョーが付け足した。
「校長とは、アリゾナに行く行かないでかなり話し込んだんだ。
年齢の割にはお茶目な人だよ。たまに頑固だけど」
と、言ってジョーは笑った。
本鈴後、いつも通り結城が教室に入った。
扉の開く音に、ばらけていたクラスメイトが、
慌てて自分の席につく。
荒本の号令で、起立、礼、着席をした。
「おはよう。今日から早速、テストが返ってくる。
中間がどうあろうと期末でまだ挽回できるからな、
各自しっかりと勉強するように」
そう言って、ボールペンを手に結城は出席を取っていった。
井出だけが欠席で、みんなが珍しいと口にしていると、
結城が渋々といった感じにこう告げた。
「井出は、交換留学で、実はアメリカに渡っている」
突然の台詞に、クラス中が騒ぎ出した。
井出がアメリカに留学。
だから、ジョーにアリゾナのこと聞いてきたのか。
ジョーと目を合わせた。
どうやら、ジョーも同じことを思ったらしい。
「ほらほら、あんまり騒ぐんじゃない。
留学と言っても色んな都合で、たった一週間だけだ。
そしたら井出は帰国してくる」
出席簿を叩きながら言う結城。
そんなことをしても静かになるようなクラスじゃない。
「先生。このクラスに外国の生徒がくるんですか?」
荒本の一言で、クラス中が静まった。
「そうだ。これから紹介するからな」
結城がこっちにくるようにと手招きすると
静まった教室に金髪の少年が入ってきた。
見覚えのありそうな少年だった。
でもアメリカ人の知り合いなんていないし、
きっと、どこかのポスターで似た人を見たんだろう。
どこのポスターの誰に似てるんだろう、
と考えながらぼーっと眺めていると、少年は、
俺を見るなり指を差してきた。
「ウツミ!」
「‥え?」
頬杖をついていた左手が、ずるりと滑った。
同時に、クラスの視線が俺に集中してくる。
そうだ、やっと思い出した。
おととい迷子になっていたあの少年か。
なんていう名前だったっけ。
「クレウス‥」
そうだ、クレウスだ。
ジョーに言われて、やっと思い出した。
って、ちょっと待ってくれ。
何でジョーがクレウスのこと知っているんだよ。
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