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  [ 決めたゴールを走れ 55(R18) ]
2012-04-16(Mon) 06:15:00
これは賭けだった。
きっかけさえ与えられたら、自分の気持ちが、
光さんならきっと見えるだろう、と。
何でそんなこと言うんだ。
光さんはそう聞きたそうな顔をしている。
だけど、あえて俺に何も聞かない。
ということは何かしら勘づいてるはず。

計算や理屈は苦手でも、感性や直感は人並み以上だ。
さっきの俺のように、細かく考えてから答えを出すのは、
光さんにはできないと思う。
だからこそ、俺の言ったことから何か感じたはずだ。

「好きにして構わないのか?」
「構いません」
「言ったこと忘れるなよ」
「忘れません」

涙の跡を舌で拭う。
すると、光さんが首を竦めた。

「やめますか?」
耳元で訊ねると笑顔が返ってきた。
やめろ、という返事はない。
俺は続けて目と頬についた跡を舐める。

顔をふと上げた光さんと、唇がゆっくり重なった。
好きだという思いが伝わるような、甘いキスを交わす。
触れて、舐めて、求めて貪る。
ただのキスではなく、意味のあるキスに進化していた。

光さんの手が、ジーンズの上から俺のソレに触れる。
以前のようにキスだけで興奮していた。

「ここ、いつもこうなるな」
「俺だけじゃなくて光さんもでしょう?」
負けずに触ると、光さんのソレも硬くなっている。

光さんはまず己のファスナーを下ろす。
続いて俺のも下ろし、取り出したソレを共に握ると、
ゆるゆると重ねて扱いてきた。

前回は、されるばかりで何もできなかった。

今回は、何かできるところを見せたい。

されるのを待つばかりの男じゃないんだ。

汗ばんでいる首に、つっと唇を這わした。
びくびくと震えたのを楽しみながら、耳を軽く噛む。
軽く噛みながら息を吹くと、ソレを握る力が増した。

「聖‥っ」
甘く呼ばれて腰が痺れた。

俺は、光さんが好きだ。
好きじゃなきゃこんなこと許したりしないし、
名前を呼ばれて全身が疼いたりしない。

俺、光さんのどこが好きなんだろう。
初めのうちは嫌われていた。
嫌われて睨まれて、ヘルメットを投げつけられた。
強引なところも多々あって、やれやれと思うこともある。

でも、純粋で繊細で、笑顔が素敵で、
負けず嫌いで、どんなことにもストレートで、
レースが誰よりも好きなんだ。
嫌いなところも含めて、いつの間にか惹かれた。

「光さ‥ん‥っ」
好きですと言いかけて、唇を噛む。
今はまだ告げる時ではない、そんな気がした。

「イキそうか?」
「ん、はい、もう‥俺‥っ」

光さんの手が、スパートをかける。

俺達は呻きながら同時に達した。

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