BLUE BIND
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Author:水色
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その雪景色窓辺より (42)
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青い空を見上げて3rd (70)
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蒼空と流星の狭間 (30)
見知らぬとこで七色が (42)
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ゴールの先に在るもの (11)
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私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
小児ガンや無毛症、事故等で、
髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 決めたゴールを走れ 62 ]
2012-04-23(Mon) 06:00:00
もうタイヤの予備はなくなった。
何があってのタイヤチェンジを行うことはできない。
アクシデントが起きないことを祈るばかりだ。
と、安心した瞬間、手に激痛が走る。
ディーラーで働いていた頃、
メンテナンス中に熱いエンジンに手が触れてしまい、
火傷してしまった経験がそれなりにある。
メカニックとして働いていれば誰にでもあることだ。
だけど、これはその時のケガとは違う。
俺はまだ痛くて立てない。
震えと汗が、事態がいかに重大かを警告している。
そこに監督がきた。
俺の手を見て、かっと目を吊り上げる。
「バカ野郎!」
監督の怒号が、ピット内に響いた。
モニター前にいたオーナーさえもびびった顔になる。
「何やってんだお前は!」
「すみません。グローブが劣化していました」
「マシンだけじゃなくてグローブもメンテしろ!
メカニックに指示するだけがチーフの仕事じゃないんだ!
判っているのか!前澤!」
それは正論であり当然のことだった。
メンテナンスが必要なのはマシンだけじゃない。
己の身を守る、ヘルメットやグローブも、
チェックをかかしてはいけなかった。
俺はそう言われ、小さく謝った。
「‥はい‥すみません」
監督は、呆れたように息をついてから、
ハサミでグローブを切ってくれた。
右手の親指部分が重症で、
赤く腫れるどころが黒く焦げてしまっている。
そこ以外にもグローブの劣化により、
あちこちに軽い火傷を負っていたらしい。
それを見た監督が呻いた。
他のメカニック達も、監督の後ろから火傷を見て、
げげ、とか、うえ、とか、
そんな声が上がったのが耳に入ってきた。
うえって言いたいのは俺のほうだ。
「派手にやりやがってバカ野郎が」
眉間に皺を寄せながら監督が吐き出すと、
後方のメカニックチームへ指示をした。
「佐原、ビニール袋を持ってこい」
「は‥はい!」
「三木谷、タクシーを呼んでくれ。
トランスポーターの横につけるように伝えろ。
これは救護室よりも病院がいい」
「はい!判りました!」
佐原と三木谷は、監督に指示通り行動した。
手の痛さよりも申し訳なさで、いっぱいになる。
「チーフ、動かないで下さい」
佐原が、ビニール袋で俺の手を包んだ。
こうすると感染予防になるらしい。
ここまで酷いケガになると冷やすのはよくない。
素人は素直に病院へ直行し、
きちんとした処置をしてもらうのが一番だ。
「監督、タクシー呼びました」
携帯を切った三木谷が告げる。
あとは任せて下さい、と言いたげに頷いたのを見て、
俺も三木谷に頷く。
レースは非常に危険であるので、
救護室も設置されてあるし救急車も待機している。
だけど、こんなケガともなると、
処置に限りがあるし救急車に乗るほどでもない。
だから、とっとと病院へ直行したほうがいい。
監督はそこまで計算して、タクシーを呼んでくれた。
「瀧、タクシーまで前澤を見送ってこい。
しんどいだろうから肩を貸してやってくれ」
「はい!」
監督に言われて颯爽と瀧がやってきた。
自らのヘルメットを脱いでから、
俺のヘルメットをゆっくり外してくれる。
そして、肩を借りてやっと俺は立つことができた。
「チーフ行きましょう」
「悪いな瀧。それじゃあ、いってきます」
「前澤君、いってらっしゃい」
「とっとと行ってこい、バカ野郎」
みんなに頭を下げると、
ピットを出てトランスポーターへと歩いた。
監督、ずっとバカ野郎を連呼していたな。
かなり心配させてしまったことを反省しないと。
トランスポーターの隣でタクシーが待っていた。
ドアが開いて、静かに後部座席に座った。
サーキットから近い病院へ行ってもらうよう、
瀧がドライバーに伝える。
そして、瀧が俺のポケットに何か入れた。
「オーナーからお金を預かってきました。
タクシー往復代、診察代、これで足りると思います。
あと、病院には労災でと伝えて下さい」
ビニールで手を包んでいる間に貰ったのだろう。
オーナーの手回しのよさに、あっぱれだ。
「ありがとう。光さんがチェッカー受けるところ、
俺の分までみんなと瀧で見てくれ」
「判りました。いってらっしゃい、チーフ」
瀧がタクシーから離れると、ドアが閉まった。
そして、タクシーは走り出した。
光さんはチェッカーを受けるだろう。
そして、今シーズンの優勝を果たすはずだ。
傍にいられないことが悔しい。
だけど、治療が優先だ。
手を放っておいたら使い物にならなくなる。
そう言い聞かせて、俺は病院へ行った。
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