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  [ 決めたゴールを走れ 75(R18) ]
2012-05-07(Mon) 06:00:00
取材が終了し、パーティーもお開きになりそうだった。
三木谷と佐原が、かなり酒を飲んだらしく、
真っ赤になりながらふらふらと俺の傍へやってくる。
「俺達だって頑張ったのに、チーフばっかり」
「俺もチーフになったら取材とか受けられますかね。
 えへへ‥へへへへ‥」

佐原は拗ね、三木谷は笑う。
これはまた不気味なツーショットだ。

そこに、酔った瀧が、ぴょこんと現れた。
「メカニックチームで二次会行くんですけど、
 チーフも行きませんか?」
「いや、いいよ。手のケガが痛むし、
 明日もまた病院だから、早く休む」

そう言うと、にへっと瀧は笑った。
「そうですか、残念」

懐いてくれるのが嬉しくて、
弟がいたら瀧のような感じなのかな、
なんて思いながら笑う。
俺のことをいつだって気にかけてくれるし、
懐いてくれるのも嬉しい。
こういう兄弟がいたら可愛がりそうだ。

「優勝はしたけど明日ミーティングあるし、
 あんまり飲み過ぎるなよ、3人共」
「はい、チーフ」
3人揃って返事がはもった。

パーティーも終わりに近づいてきたのか、
流れていた音楽が静かになり、オーナーの挨拶となった。
集まっていた人も、ぞろぞろと帰り始まっている。

途中、楠さんと舞斗君にも会って、俺はにこりと笑った。
2人は笑顔で返事し、パーティーをあとにする。

光さんを探したけど、どこにもいなかった。
きっと、先にホテルの部屋に行ったのだろう。

メカニックチームは、監督から2次会代を寄付されて、
喜んでホテルを出たようだ。
監督とオーナーは来賓をロビーで見送ってから、
2人で静かに消えた。
監督の大好きな、キャバクラにでも行ったのかもしれない。

俺はカウンターへ行き、番号と交換で、服を受け取る。
このスーツは明日のミーティングにて返却すればいいらしい。
メカニックチームのスーツは、
さぞかしアルコール臭くなっていることだろう。

服の入ったビニール袋を持って、1501号室へきた。
ドアをノックすると、光さんがドアを開けてくれる。
俺がきて喜ぶかと思いきや、普通に無表情だ。

「遅くなりました」
中に入ろうとして胸を押される。

「いいのか?」
「何がですか?」

答えの代わりに、光さんが唇を重ねてくる。
温かくて柔らかい唇は、すぐに離れた。

「こういうことされるんだぞ」
「こういうことされにきたんですけど」
「あっそ。なら入れよ」

光さんの後について、中に入る。
手前にある部屋を横切って、奥の部屋へ行く。

そこには、ダブルサイズのベッドがあった。
ベッドサイドのスタンドの明かりのみがついていて、
いかにもってな雰囲気になっていた。

ごくり、と喉が勝手に鳴る。

光さんが後から、俺のジャケットを脱がした。
次いでネクタイを緩めて、しゅるっと取ってくれる。
これで、光さんと同じになった。

光さんがベッドに座り、隣を指す。
隣に座るとゆっくりと顔が近づいてきて、
光さんとキスを交わした。

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