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  [ 決めたゴールを走れ 85 ]
2012-05-19(Sat) 05:20:00
シャワーを浴びてからぐっすりと眠った。
次の日の朝、光さんに声をかけられた。
「おい、聖。起きろ聖」
「あ、はい。おはようございます」

反射的に挨拶し、何も着ていない体を起こす。
光さんはバスローブを身につけていた。

「いつも早起きですね」
「筋トレしてシャワー浴びるのが、毎朝の日課だ」

ふふんと鼻で笑う光さん。
だからいつも朝はバスローブ姿だったのか。

あくびをすると、立っていた光さんが座る。
シャワーを浴びたばかりなのか、
光さんの髪がしっとり濡れている。
髪にそっと触れると、光さんが嬉しそうな顔をした。

それにしても、タフな人だ。
昨日、あんなに激しく初セックスしたのに、
体のどこも痛くないのだろうか。
こっちは久々のセックスで、体のあちこちが痛い。

「俺をじろじろ見てどうした?」
「光さんはどこも痛くありませんか?」

光さんに訊ねると、本意を察したのか笑顔を浮かべた。
そして、わざとらしく首や肩を回してみせてくる。

「ああ。いつも筋トレ前に、
 ケガしないよう柔軟体操しているから大丈夫だ」
「そうですか」
「ほら、朝ごはん食べるぞ」
「あ、はい」

言われてみればいい香りがする。
バスローブを着てベッドルームを出ると、
隣部屋にごはんが用意されてあった。
みそ汁に漬物に魚という、純粋な和定食だ。

俺の隣に、光さんが座った。
いただきますを言うと、
光さんがどれから食べるのかを聞いてくる。

俺は手をケガしていて箸を使えない。
曲げると関節が痛むから、
箸だけじゃなくてスプーンもフォークも持てない。
光さんに面倒を見てもらい、ごはんを済ませた。

「ご馳走様でした」
「いいって。着替えて病院行くぞ」

着替えもまた手伝ってもらう。
シャツやジーンズすら、着脱できないなんて不便だ。
でも、光さんがファスナーを上げてくれるのは、
少しどきどきしたし嬉しかった。

早くケガを治したい。

治して光さんに触れたい。

そんなことを考えながらおかしいと思った。
いつもは恋愛にこんな貪欲ではない。
それくらい光さんのことが好きってことなのか。

だめだだめだ、こんな公私混同はいけない。
いけないと判っているのに、こっちを見て笑う光さんに、
こうやってついキスしてしまう。

キスをされた光さんが驚いている。
こんな顔すら愛おしくて、にこりと微笑んだ。

すると、光さんは赤くなって、
むすっとした顔をしながら怒っていた。
直後、ぷいっと顔を逸らされた。
「ふざけんな」

昨日ベッドでしたあの行為は、
優勝してハイテンションになったからこその行為だったのか。
俺はそう思って、しょんぼりした。

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