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  [ ゴールの先に在るもの 9 ]
2012-06-23(Sat) 06:40:00
翌日、光さんと俺は、
ミーティングのために本部へとやってきた。
会議室にはオーナーと賀川監督、
本部を拠点に活動している開発に企画に広報、
俺達メカニックにドライバーが集結した。
席はグループ分けされているだけで、
その中でだったらどこに座ってもいいらしい。
光さんと俺はイスに並んで座った。

やがて、メカニックチームが集まってきた。
初めにやってきたのは瀧だ。
そのうち、ぞろぞろと佐原や三木谷もここへきて、
みんなに笑顔で挨拶をする。

ミーティング開始10分前になって、
オーナーと監督も会議室へやってきた。
挨拶すると苦笑いされた。
「光、前澤、げっそりしてどうした?
 飲み過ぎだったら酒に飲まれんようにな」

監督にさえそんな心配されるほど、
光さんも俺も、げっそりしていたようだ。
ってか、光さんが煽りすぎだ。
いつもは偉そうなのにセックスの時だけ、
あんな顔やあんな目で、誘ってくるのが悪い。
それだけで俺の性欲が煽られる。

と言いたそうな顔でもしていたらしく、
光さんに睨まれた。
睨まれているのに表情が可愛いと思ってしまう。
俺こそCTやMRIが要るみたいだ。

「俺のせいかよ?」
「俺のせいですか?」
「いや、両成敗か」
「そうですね、そういうことで」
「何がそういうことかは知らんが、
 今日のミーティングはかなり大切だぞ。
 来年のレースについての説明があるからな。
 しっかり聞いておけよ、2人共」

監督はそう予告し、俺の前の席に座る。
やがて、ミーティングが始まった。

まずは、オーナーの挨拶からだった。
続いて監督の口から、
次シーズンについてこんなことが告げられた。

「次回ワンシーズン限定で、別チームを作り、
 レースに参加することを決定しました」

ミーティングの参加者全員がざわついた。
もちろん、光さんも俺もだ。

つまり、ワンシーズンのみ、
チームESがもうひとつ存在することになる。
ドライバー、メカニック、監督という役職さえも、
新たなメンバーが集まることになる。

今のところ決まっているのは、それだけだらしい。
改めて人事が決まり次第、各自へと書面で告知する、
ということだった。

発表が終わると会議室は静まった。
監督とオーナーでその準備をしてきたのだろう。
広報のメンバーさえ驚愕しているし、
室内にいるこの2人のみ、やけに冷静な表情だった。

それ以外には、ウイングの更なるパワーアップ、
ウイング以外の強化についての意見の交換、
マシン基盤の新素材について、次回レースの新基準、
などが発表された。
ここにいる全員がじっとそれらを傾聴する。

やがて正午になり、光さんと俺は、
本部の近くにある定食屋に入ることにした。
すると、奥席にオーナーと監督がいて、
こっちにこいと手招きされてしまった。

光さんに了解を得てから、そっちへ歩いていく。
監督とオーナーは4人席にいた。
2人が並んで座ったから、俺達は向かいに座った。

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