BLUE BIND
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 青い空を見上げて2nd 12 ]
2010-07-03(Sat) 07:15:47
笹崎侑津弥
1限中、クレウス経由でジョーから手紙がきた。
そう言えば、席替えしてすぐに手紙のやりとりしたっけ、
なんて懐かしいく思いながら開いてみた。
『クレウスに抱きついて何したんだよ』
おい、ちょっと待ってくれ。
これは、どういう意味なんだよ。
いやいや意味は理解できるけど、問題は、
あのシーンの目撃で何を想像してるんだってこと。
あれは転びそうになった俺を、クレウスがキャッチした、
ただそれだけなんだけど。
素直にそう書くよりもこっちに浮かんだ疑問を、
がしがしと書いて渡してやった。
『そっちこそ、ミレトスに腰なんか掴まれて何やってんの?』
ジョーに手紙を手渡してから、クレウスが、
すりすりと眉の間を擦りながら、こそっと話しかけてきた。
「ウツミ、ここに皺寄ってマス。どうしたデスカ?」
俺そんな顔してたんだ。
ごまかし笑いを浮かべて、急いで話題を変えた。
「‥どうもしないよ。
それより、ずっとミレトスと別行動するつもりなの?」
「ミレトス、ジョーと動きたいと言いマシタ。
ボクは一人でも平気デス。とても慣れてマス」
「‥ふーん」
ちらっと右を見るとジョーと目が合った。
たぶん、ちょっと怒っている。
俺が書いたメモのことが気に食わなかったんだろう。
「ウツミ、テーマパークあるとこ知ってるデスカ?」
頬杖をつきながらクレウスが質問してきて、
目をクレウスに戻した。
「‥知ってるよ。どうして?」
「今日、ママさんパパさん用事でいまセン。
ミレトスは夜までジョーと遊ぶデス。
パパさんにお金もらったのでテーマパーク行ってみるデス」
寂しそうにクレウスは笑った。
そうだよな、一人ぼっちで家にいても退屈だもんな。
ジョーがいない家に帰ってもつまらない、
という気持ちもあってクレウスに同情した。
「‥俺でいいなら一緒に行こうか?」
言いながらクレウスを見ると、うんうんと大きく頷かれた。
嬉しそうで良かった。
こんなに喜んでもらえるとこっちも嬉しくなる。
ここでまた、ジョーと目が合った。
ミレトスがジョーの耳で何か囁いているみたいだ。
ちょっとミレトスと接近しすぎじゃないか。
そんなの俺に見せつけて、どうしたいんだ。
と、クレウスの視線が俺の手に集中していた。
青い瞳が、クセでしているペン回しをじっと見つめている。
「オウ!ワンダフル!」
クレウスが、俺の手をぎゅっと握り締めた。
何やらペン回しに、とても感動している様子だ。
「ん?どうした?どれがワンダフルだ?」
黒板にチョークを走らせていた豊田が、こっちを振り向いた。
豊田は堅物で、性格がねちっこいから上手くかわさないと、
課題が多くなったり職員室に呼ばれたりする。
どうしようと考えていると、クレウスが豊田に微笑んだ。
「カンジは難しいデス。でもその意味の深さに感動したデス」
「そうか。素晴らしいところに着目したな。
まあ漢字には、そもそも音読みと訓読みという‥」
得意げに漢字の説明を開始する、国語教師の豊田。
黒板に向いた豊田を見てから、クレウスが俺にウインクした。
クレウスって対応が上手いなあ。
「ウツミ、このテクニック素晴らしいデス。
ボクにも教えてほしいデス」
握られた手が、柔らかく包まれる。
クレウスの手を離しながらも顔を赤くしてしまった。
それから、こっそりと豊田にばれないように、
机の下でクレウスにペン回しを教えた。
ジョーの視線に気付いて、ふと顔を上げる。
一瞬、目が合い、ふいっと逸らされた。
ぐっと口を引き締めて、俺はクレウスにペンを回してみせた。
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