BLUE BIND
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Author:水色
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蒼空と流星の狭間 (30)
見知らぬとこで七色が (42)
決めたゴールを走れ (93)
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NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
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これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 青い空を見上げて2nd 13 ]
2010-07-04(Sun) 05:10:57
阿久津城
ウツミはクレウスに、俺はミレトスに教科書を見せている。
俺は、ミレトスに見えないように、
ウツミへの手紙をクレウスに手渡した。
『クレウスに抱きついて何してんだよ』
ウツミがクレウスに抱きついていたように見えた。
しかも、公衆の面前で。
そこには何らかの事情があるんだと思いたい。
それにしても、この文面ジェラシー丸出しだ。
自分にこういう感情もあったんだと自覚していると、
ウツミからの手紙がクレウス経由できた。
『そっちこそ、ミレトスに腰なんか掴まれて何やってんの?』
これって俺の質問に答えてないし、
だいたい、ミレトスに腰掴まれてる部分だけで、
ウツミは何連想してんだ。
朝、ウツミの姿を見つけて駆け出そうとして、
行くなってミレトスに掴まれて、ああなったんだけど。
ってか、誰かさんみたいに抱きつくよりマシだし。
ウツミを見ると、はたと目が合った。
だけど、ウツミはすぐクレウスに視線を移動させてしまった。
「ジョー、そっち見るなヨ」
ミレトスが俺の服を引っ張ってきた。
ウツミを見ているだけで、すぐにこれだ。
「見てない」
俺がむっとして答えたのに、ミレトスは嬉しそうに笑った。
「オーケー。夜どこで遊ぶのか楽しみネ」
つきっきりで色んなとこに連れてくなんて、
アリゾナで約束しなきゃよかったと後悔していた。
まさに、後悔先に立たず、だ。
「何時までに帰れば平気なんだ?」
そう聞くと、ミレトスは、人差し指で11時を示す。
「じゃあ、クラブに行くか」
「クラブ?」
「踊って騒いで、酒飲む場所」
ミレトスは嬉しそうに頷いた。
留学していた期間は、3人で、めいっぱい遊んだもんだ。
違反だけどバイクに3人乗りして、
グランドキャニオンを見に行ったり、あちこち観光もした。
すっげ楽しかったな。
ミレトスもクレウスも、ちっとも変わっていない。
「ジョーは変わったネ」
ぼそっと、ミレトスが囁いた。
「え?どこが?」
同じように囁くと、ミレトスは聞き取れなかったのか、
こっちに耳を寄せてくる。
ミレトスの耳に唇を近づけると、同じことを言った。
と、ここで、またウツミと目が合ってしまった。
俺とミレトスの接近に怒っているみたいで、
シャーペンを回す速度が速くなっている。
それに感動したのか、クレウスが、ウツミの手を握った。
ウツミが照れたように笑っている。
豊田とのやりとりが終了すると、
ウツミはクレウスに、ペン回しを教え始めた。
なんだこれ、面白くない展開だな。
「ジョー聞いててヨ」
ふうっと、ミレトスが耳に息を吹いてくる。
ぞくぞくと耳に鳥肌が立った。
「ごめん。何だっけ?」
「ジョーが変わったって話だヨ」
「そうだった。で、どこが?」
「前は硬かったけど、今は柔らかいヨ」
硬かったけど柔らかい、とは一体どういう意味なのか。
日本語が上手いのか下手なのか、よく判らない。
「そうか」
ミレトスに無難な返答をすると、またウツミと目が合った。
俺はその目を、すぐに逸らした。
クレウスと楽しそうにしているウツミを見ていたら、
むかむかしてきたからだ。
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