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  [ 銀の翼が恋を知る 8 ]
2012-07-27(Fri) 06:00:00
付き合うようになったけど何も起きていない。
お互いに何かと忙しくて、それどころではない。

タツはタツで、進学組の使命なのか授業数が増加し、
今もまだ授業を受けている。
俺は先に、グラウンドにいて、
ゴールポスト付近からタツのクラスを見上げていた。

「リュウ、タツが気になんの?」
肩を叩いてきたのは俺と同じクラスの、小高だ。
FWとして一目置いている人物でもある。

ボール運びは巧みだが、シュート力がイマイチだ。
今よりも下腿三頭筋群を鍛えれば、
バランス力もアップするんじゃないかと思っている。

「勉強しないでさっさと部活にこいってな」
「いや、そうじゃないだろ」
「そうじゃなきゃ何だってんだよ?」

そう聞き返すと、小高は意味深に、
にやにやと笑いながら答えた。
「タツとリュウって付き合ってんじゃないの?」

どくん、と強く鼓動が打つ。

強張ったような表情をしてしまうと、
付き合っていますと顔で認めることになる。
ふっと肩の力を抜いて、かかかと笑った。

「おおよ。部活に食堂、
 トイレにまで付き合ってもらってるぜ」
「そりゃあいいや。タツはマジメだもんな。
 俺達も今度、トイレに揃って行ってみっか」
ひとしきり笑ったところで、俺達は一緒に、
ストレッチを始めることにした。

キスもセックスもまだだけど、タツとは付き合っている。
だけど、嬉しいからこそ隠さないといけない。
周りから見たら、同性だしおかしな関係だろうから。

タツにもこんな思いをさせてるのだろうか。

そう思ったら、またタツの教室を見上げていた。

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