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  [ 銀の翼が恋を知る 11 ]
2012-08-21(Tue) 04:40:00
春休みが終了し、俺達はとうとう2年になった。
いつものメンバーで、いつものストレッチをしていると、
新1年生が部活見学で、グランドに集まっていた。

やがて、強いやつから弱いやつ、
経験有りから経験無しまで、色んなやつが揃った。
そんな中、マネージャ志望者もやってきた。

「三波です。宜しくお願いします」
残念ながら男子で、みんながっかりしてたっけ。

メガネをかけていて、髪がちょっと長い。
しかも、女子よりも可愛いときた。
色も白く、何を食べているのか痩せ細っている。
マネージャは結構ハードな仕事だ。
こんなに痩せていてそれが勤まるのか。

話を聞くところによると体が弱いらしく、
運動はできないからとマネージャを志願したらしい。
スポーツの中でも特にサッカーは昔から好きだという。

顧問からはムリしない範囲でやるように、
と制するように言われたらしい。
うちの顧問って、そんなに優しかったっけ。

そして何よりも、小高が三波を、えらく気に入った。
帰りにファーストフード行こうとか、
どんなファッション好きなのとか、
休みになるといつも何してんのとか、
練習中、三波にそんなことばかり質問している。

小高をまるで一蹴するかのように、
休みの日はデートです、と発言した三波。
恋人がいるのかと部内はどよめいた。

小高は、なぜだか俺に八つ当たりをする。
どうして俺が的になるんだよ。

「くそ、つまんね」
「もっとつまらないのはこっちだ。
 そもそも、小高ってそっち系統だったっけ?」
「そっちもこっちもないけどさ‥」
「だったら、ボールに八つ当たりしろよ」

と、ゴール前からボールを渡してやると、
小高が豪快に、シュートしてくれた。
ボールは緩やかなカーブを描きながら、
ポスト上ぎりぎりに入りやがった。
さすがFW、いつもこうだと格好いいんだけどな。

シュートの調子がよかったからキーパーの練習に、
しばらく付き合ってもらった。
小高は、ノーガードだといいシュートをしてくれる。
まあ、相手チームはそれを分析しているからこそ、
ハードなディフェンスをつけてくるけどな。

「小高先輩、シュートの調子いいですね」
小高のシュートの様子や、足のバネを確かめながら、
ゴールポスト傍の三波が言ってきた。

どうやら練習を観察しながら、各個人の能力を、
メモらしきものに書き留めてるようだ。
なるほど、サッカーが好きだと言うだけあって、
洞察力や観察力、それから能力の分析も得意みたいだ。

だったら筋トレのメニューを作ってもらおうか。
もちろん勝つ気のない、新部長には秘密で。

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