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  [ 銀の翼が恋を知る 12 ]
2012-08-23(Thu) 05:10:00
いつもは鈍いタツもサッカーには鋭い。
三波の洞察力に、どうやら気が付いたらしく、
練習中、タツは三波に近寄った。

「三波、なかなかいい目をしているな」
「ありがとうございます」
「それを生かして、
 個人のメニューを作成してほしい」

三波は、驚いた顔になった。
そんなことを頼まれるとは思わなかったらしい。
ってかそんなタツに、俺まで驚いた。
タツは誰かに何かを頼むより、
さっさと自分でやっちまう性分だから。

「それは全員分ですか?」
「1年と2年のだけでいい」
「そうですよね。いいですよ」

三波は、笑ながら答えた。
3年のはいいのかと質問されなかった。
サッカー部のマネージャとして携わり、
上級生との温度差を、何となく感じたんだと思う。

3年は、前3年同様、楽しさをモットーに掲げ、
だらだらと練習しては休憩ばかりする。
一方、俺達2年生と後輩1年生は、休憩中も自主的に、
ストレッチ等に力を入れていた。

ストレッチをしないと体が硬くなってしまう。
そうすると、走ろうとすると足首を痛めてしまったりと、
すぐにケガをしてしまう。
ストレッチは、筋肉を付けたり解したりする意味で、
とても大切なのだ。

三波は部活中、俺達を観察し、
書ききれないほどのメモを取ってくれた。
暗くなる前に、三波がタツに近寄る。
どうやら、トレーニング表を作り終えたらしい。

修正をしたいとのことで部活後、
3人でファーストフードに行くことにした。
小高も誘おうと思ったが、
用事があるみたいで帰宅してしまった。

ハンバーガーを食べながら話をしていると、
三波からもこう指摘された。
「リュウ先輩ってGP歴浅いですよね?」
「ん?まあね。前はFWでタツとタッグ組んでた」
「どうしてキーパーになったんですか?」

経緯を軽く説明し、ポテトを食べる。
すると、三波がなんだか納得した。

「そうだったんですね。
 キーパー向いている気もします。
 膝のバネとジャンプ力いいですもんね」
「かかか、もっと褒めてくれ」
「それから、たぶんですけど、
 フィールドを上から見ていませんか?」

どき、と持っていたポテトを落とした。
タツも、これにはびっくりした。

「すごいな。どうして判ったのだ?」
「リュウ先輩の指示って、珍しいなと思ったんです。
 その、平面的なものではなく立体的だったので。
 すみません上手く説明できなくて」
三波は苦笑いし、恥ずかしそうにジュースを飲んだ。

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