BLUE BIND
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髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 銀の翼が恋を知る 13 ]
2012-08-26(Sun) 06:00:00
タツは俺の目のことを、サテライトアイ、
といつからか呼ぶようになった。
格好よさそうな名前をつけたのは、もちろんタツだ。
サッカーは、フィールドが広くて大きい。
平面ではなく立体で、俺はそれを捉えられる。
目でフィールドを捉えるんじゃなくて、
頭でそういうイメージを作りやすいんだ。
平面を、個々の点がそれぞれの意思を持って、
あちこち動き回っている。
それを同じ平面で見ていては、
フィールドを制することは難しくなる。
だからこそ、衛星が、
地上を捉えるように立体に見ることができる。
情報を処理し、判断し、予測し、イメージする。
いつからか忘れたけど俺は、
そうすることができるようになった。
そんなことができる人はほとんどいない。
だからこそ、俺はFWとしてタツとコンビを組んだ。
フィールド内にあるディフェンスの空きを、
サテライトアイで見つけられるから、
俺がボールを運び、タツがその空きまで走って、
幾つものシュートを決めることができた。
監督はサテライトアイのことを理解してくれていて、
コンビプレイを褒めてくれた。
しかし、監督交代で、状況が一変した。
新監督はサテライトアイを理解してもらえなかった。
瞬発力へと注目した監督が、
俺自身のことをGKへ転向させてしまった。
GKでも指示することは可能である。
でも、ゴールからは動けないから、
フィールド半分のみの指示だけで精一杯だった。
一時はもどかしい気持ちになった。
FWじゃないなら辞めようかとも思った。
だけど、タツがずっと俺のことを励ましてくれて、
俺にできることをやろうと思えた。
そして、俺はこう誓った。
タツの背を守ろう、と。
「そうだったんですね」
三波は、疲れ切ったかのように息を吐いた。
この能力の説明をすると大抵の人物は、
能力そのものを不振がる。
でも、それが現実であり普通でもある。
そもそも、こんな能力そのものが異常なのだ。
が、三波は、それがなかった。
それどころか、マジメに聞いてくれていた。
「今からでもFWに戻ってみませんか?」
「それもたまに考えるけど厳しいんだよね。
キーパー歴のがもう長くなるしさ」
今更戻ることに抵抗がなくはない。
FWの感覚はいつでも復活させられるが、
現時点でのメンバーでGKは自分しかいない。
それを思うとGKがいなくなるのは痛い。
「再三、俺からもFWに戻れと言っているのだ」
ふう、とタツが溜め息をつく。
「タツ先輩から言ってだめなら、
僕から言ってもだめですね」
タツの溜め息を吹き飛ばすように、
くすりと三波が微笑んだ。
その言葉に、どきっとした。
それはどういう意味なんだろうか。
あまり表には出さないが、
俺とタツのことを何かしら察したのかもしれない。
三波はそういうところ敏感そうだ。
しかし、タツは困ったように笑った。
「そうなのだ。
俺が言ってもだめだから誰が言ってもだめなのだ」
タツは三波のこと、
俺が思ってるようには思ってないようだ。
こいつは元々鈍感だから、まあいいか。
ということで作成してもらった個人メニューを、
明日から早速、やっていくことにした。
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