BLUE BIND

BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
  [ 銀の翼が恋を知る 27 ]
2012-10-19(Fri) 06:55:00
タツの家に着いた。
インターフォンを押してすぐにタツが出る。
家に上がらせてもらって足を進めると、
タツの部屋前に人影があった。

タツの兄貴2人がいた。
俺を見て、微笑んだほうが院生の、
長男である和樹兄だ。

「こんばんは。お邪魔します」
「こんばんは。また勉強かい?」
「はい。俺バカだからタツに教えてもらわないと」
「そんなことはない。
 誰にだって得意なことと不得意なことを持っている。
 2人で協力し、サッカーも勉強も頑張るんだよ」

悟りのようなことを話してくれたのは、
大学生で次男の悟志兄だ。
ちなみに、和樹兄は剣道、悟志兄は合気道で、
それぞれインハイを制したことがある。

「はい。頑張ります」
「リュウ、そろそろ部屋入ろう」
「うん。それじゃあ、また」

手を振る2人に頭を下げ、促され部屋へ入った。
タツが静かにベッドに座る。
その隣にローションやらコンドームやら並べていった。
タツはそれらを見て顔色を変えなかった。
それどころか、珍しそうに眺めている。

「これらを使うのか?」
「ネットで調べたらそう書いてあった」
「今更だがリュウは経験あるのか?」
「女の子とそれなりに付き合ったことはあるけど、
 セックスはしたことない」
そうか、とタツは小さく呟いた。

ローション類を枕の脇に置いてから、
タツの隣にそっと座った。
どきときしながら、思い切ったように手を握る。
びく、と体を震わせてタツが下を向いた。

「それで、どっちがとうするか考えてきたのか?」
タツの声が掠れている。
顔はここから見えないけど、耳がすごく赤かった。
その耳に唇を寄せて、低く囁く。

「俺がタツに挿れたい」

タツは俺を見ずに、少しだけ頷く。
ずきゅん、と苦しいほど胸元が切なくなった。

失敗してもいい、順調じゃなくてもいい。
俺のペースでタツを抱ければいいんだ。

ごくり、息を飲んでタツをベッドに押し倒す。

緊張と興奮で、部屋の中にやけに心音が響いた。

次話へ 前話へ

お気に召しましたら一票お願いします。
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
銀の翼が恋を知る | TB:× | CM : 0
銀の翼が恋を知る 26HOME銀の翼が恋を知る 28(R18)

COMMENT

COMMENT POST

:
:
:
:



 
 管理者にだけ表示を許可する


copyright © 2024 BLUE BIND. All Rights Reserved.
  
Item + Template by odaikomachi