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  [ 雨上がりの最果てで 5 ]
2012-12-10(Mon) 10:10:00
明後日のバイト終了後に、波多野家にお邪魔した。
波多野を先頭に、リビングに入っていく。
すると、いつものように家族がそこに勢揃いしていた。

「仲村君、こんばんは」
「こんばんは。お邪魔します」
キッチンにいるのが、波多野のお母さん。
栄養士で、病院にパート勤務している。
エプロンの似合う、優しいお母さんって感じだ。

「いらっしゃい、仲村君」
「どうも、こんばんは」
ダイニングで鉄アレイを振っているのが、
波多野のお父さんだ。
スポーツジムのトレーナーをしている。
鍛えるのが日課というか癖みたいだ。

「仲村さん、あとで私も混ぜて」
「いいよ、レベル上げたら声かけるね」
ソファに座ってテレビを見ているのが、
波多野の妹である星ちゃん。
中学2年生で、ツインテールにしている。

「仲村君、夏樹、ごはんできたわよ」
「いつもご馳走になります、おばさん」
「いいのよ。ほら、食べて食べて」

おばさんが、テーブルに夕食を用意してくれた。
スープパスタとサラダには、
野菜がこれでもかと投入されてある。
席に座り、波多野と話しながら夕食を頂いた。

俺の母さんは、俺が小さい時に亡くなった。
俺の父さんは、再婚し、新しい奥さんと小さい子と、
遠くの地にて暮らしている。
そういう複雑な理由があって、俺は今、
大学生である兄貴と2人暮らしだ。

俺はそういうのを隠したりはしない。
隠すようなことでも恥ずかしいことでもない。
だから、おじさんとおばさんには、
俺がそういう家庭環境だって話してある。

具だくさんの料理を食べていると、
ここにきた時くらい野菜をたくさん食べてもらおう、
というおばさんの思いが伝わってくる。
栄養士だけあっていつも料理のバランスがいいんだ。
正直、おばさんの心遣いにはいつも感謝している。

ごはんを終えて、お礼を言い、
おばさんと一緒に食器を片付ける。
なんか、こういうのっていい。
母さんがいたらこんな感じなのかな、
なんて思って胸がじんとする。

そして、その間に波多野が部屋を片すんだ。
いつからか、こういうパターンになった。
片付けが終了し、キッチンに波多野がやってくる。

「仲村さん、そろそろ部屋行きませんか?」
「うん、行こう行こう」
「そこのお菓子持ってってね、夏樹」
「判った」
「いつもすみません、おばさん」
「いいのよ、いっぱい遊んでいってね」

リビングで寛ぐみんなに笑って、
俺は波多野と共に、2階にある部屋へむかった。

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