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  [ 雨上がりの最果てで 10(R18) ]
2012-12-19(Wed) 06:10:00
中学3年生は、周りも俺もバカだった。
だけど、バカなことを面白がっていた年頃だった。

バカなことができるダチと、誰かの自宅に集まって、
こっそり借りてきたAVを見ながら、
これはさすがにないよな、とか、
このプレイは酷すぎるだろ、とか、
ツッコミ入れながらみんなで笑ったりした。
ついでに、早くイケるかを競ったことがある。

俺はその時、どうしていたっけ。
みんなには恥ずかしくて言えなかったけど、
交際したばかりの彼女がいた。
少なくともまだ同性を好きではなかった。

それなのに、友達がイッた表情で、
どきどきして切なくなったのを覚えている。
切なすぎて達することを忘れたけど、
今にして思えば、出さずにドライでイッた気がする。

だから、それなりに興奮はしていたけど、
波多野をイカせても自分はイカなくてよかった。
イッた表情だけで満足したし、
射精に似たような感覚を味わえたから。

「ごめん、波多野」
そっと波多野に布団をかけて、隣の布団に戻る。

波多野はどんな表情だったのか。
気になったけど確かめるのが怖かったから、
わざと見ないで戻った。

欲望を抑えられなかった自分が憎い。
きっともう普通ではいられない。
明日からは波多野との距離ができて、
今までのように接したり話したりできない。

好きでいることを諦めよう。
どれくらいの時間がかかるかは不確かだけど、
波多野を、諦めていこうと思う。

波多野に触れていた右手を握りながら、
ぎゅっと目を閉じた。

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