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  [ 雨上がりの最果てで 13 ]
2012-12-25(Tue) 07:00:00
バイトの後半は倉庫の整理だった。
商品の在庫を確認し、リストに纏めたり、
営業が明日にでも得意先に運搬するものを、
ここで集めたり包んだりと、
細々とした作業なんかを倉庫でやる。

そう言えば、ここは段ボールが重ねてあったり、
倉庫棚も少し不安定で、危なっかしい場でもある。
だけど、整頓するような時間はどこにもなく、
いつもこのままにしてしまっていた。

そんなことを佐伯さんに愚痴ったことがある。
そうしたら、営業部長経由で、
直々に社長へとその要望を提出してくれた。
だから、後日、棚卸を兼ねて業者を呼んで、
バックヤードの総整理がされることが決定している。
さすが仕事の早い営業マンだ。
キスさえしなけりゃパーフェクトだ。

1人で細々と、バックヤードで作業していると、
他のバイトがここに入ってきた。
店舗に足りなくなった商品を取りにきたらしい。
笑顔で挨拶し、他のバイトは店舗に戻っていった。

静かに作業を続けると、誰かがまた入ってきた。

今日は休みのはずの波多野が立っていた。

「お疲れ様です、仲村さん」
いつもの笑顔で挨拶してきた。

波多野にとって昨夜にあった出来事は、
なかったことになっているのかもしれない。
そう思うと、ずきんと胸が痛んだ。

「バイト休みじゃなかったっけ?」
「休んだ人がいて、代わりに出ました」
「そっか。お疲れ様」

精一杯に笑ってみせると波多野が近づいてきた。

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