BLUE BIND
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Author:水色
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僕達の体育祭 (8)
青い空を見上げて2nd (48)
君、何を想う (9)
風のように遥かに (39)
魚心あれば水心 (6)
雲の上の輪廻 (4)
その雪景色窓辺より (42)
傷痕は誰が為の (13)
星が刻んだ未来さえ (69)
その手はひとつじゃない (8)
青い空を見上げて3rd (70)
僕達の学園祭 (8)
蒼空と流星の狭間 (30)
見知らぬとこで七色が (42)
決めたゴールを走れ (93)
ゴールの先に在るもの (11)
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最終更新2013.6.2
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私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
小児ガンや無毛症、事故等で、
髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 雨上がりの最果てで 21 ]
2013-01-10(Thu) 07:00:00
「ところで、母さんはどうして俺のとこにきたの?」
「自分の息子が、こんな状態になれば心配するわよ。
だから、カラオケを中断して天国からこっちへきたの」
天国にカラオケなんて設置されているんだ。
それにしても、カラオケが好きだという母さんが、
可愛いと思えてつい笑ってしまった。
好きなことを中断してまで俺のことを心配してくれた。
その気持ちが、俺にはすごく嬉しかった。
「心配させてごめん」
「いいのよ。子供を心配するのが私達の役目だから」
私達、という台詞には、父さんも含まれている。
普通の両親は、そういうものなんだろうな。
親のいない家で、兄貴とずっと2人だけの生活だったから、
ぴんとこない部分もあるけど安心させられた。
「ありがとう。でもさ、俺、
これからどうすればいいか判らないんだよね。
あっちに戻れるのか、それとも戻れないのか」
「そのアドバイスをしにきたのよ、私が」
「え?そうなの?」
「導くのが私、そこから先は自分で動きなさい」
俺の手を、母さんが握ってきた。
カラオケしていたと言っていた顔ではなくなり、
マジメな顔になった。
「郁央、愛があれば戻れるわ」
愛があれば戻れる。
愛ってどういう愛なんだろう。
どういう愛なのかを訊ねようとして、
母さんの指が、俺の唇にちょんと軽く当てられる。
俺は、うぐっと声を詰まらせた。
「愛とは何なのか、それをどうすればいいか、
そこから先は自分で考えるのよ」
母さんのウインクが飛んできた。
可愛らしい仕草に、どきっと胸が鳴った。
戻ったら兄貴も父さんも、波多野もいる。
ヒロさんとカズさんだっている。
でも、戻らなくても母さんがいる。
戻ったらもう母さんには逢えなくなる。
鼻の奥が、つんとしてしまった。
「でも‥母さん‥」
「バカね。私はもう死んでいるのよ。
母さんのここに光っている輪があるでしょう。
でも郁央には、まだ頭の上に輪がない。
まだちゃんとチャンスが残されているんだから、
悔いのないように動きなさい。いいわね?」
手を握っている細い指が、ふるふると震えている。
俺が何を考えていのかを悟ったのだろう、
母さんもちょっぴり泣きそうになっていた。
子供を心配し、それでも進みなさいと言ってくれる。
これが親なんだと思いながら、静かに頷いた。
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