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  [ 雨上がりの最果てで 36 ]
2013-02-02(Sat) 05:55:00
キスできそうな距離になりかけている。
それくらい波多野が近寄ってきた。

ベッドで寝ている俺は、当然ながら微動せず、
どきどきもせず脈をいつものように打っている。
むしろ、こっちにいる俺が1人で焦っていた。

だって、こんなのおかしいだろ。

マジでこのままキスされちゃうのか。

いや、そんなことあるはずない。

あるはずないって思っているのに、
波多野のことを阻止せずにはいられない。
今の俺ではどうにもできないって頭で判ってるのに、
波多野のことを引っ張ろうと必死になる。
でも、やっぱり、すかすかと体が通り抜けてしまう。

瞬間、ドアが開かれた。

動揺した波多野が、ばっと顔を上げる。
そこにいたのは看護師の谷村さんだった。

「面会時間、もうすぐで終わりですよ」
「そ‥そうですか‥すみません‥」

波多野は慌てて上着を着ると、去って行った。
焦っていた姿に、きょとんとする谷村さん。

早足で歩く波多野が、真っ赤になって口を拭う。
心なしか動揺している気がした。
波多野は、病院の出入口で、ぴたりと止まった。
俺もつられて止まった。

「ごめんなさい‥仲村さん‥」
そう言い残して出て行った、波多野。

ごめんなさいって、どういうことだろう。
どうして泣きそうな顔してるんだ。
俺のしたことで苦しんでいるなら謝るならこっちだ。

波多野、ごめんな。

俺はマジで波多野を諦めるから。

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36話にしてようやくですが(汗)
イメージイラストをアップしました。
ラブラブな2人を描けて満足です♪


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