BLUE BIND
BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
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Author:水色
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初めにお読みください (1)
青い空を見上げて (31)
僕達の体育祭 (8)
青い空を見上げて2nd (48)
君、何を想う (9)
風のように遥かに (39)
魚心あれば水心 (6)
雲の上の輪廻 (4)
その雪景色窓辺より (42)
傷痕は誰が為の (13)
星が刻んだ未来さえ (69)
その手はひとつじゃない (8)
青い空を見上げて3rd (70)
僕達の学園祭 (8)
蒼空と流星の狭間 (30)
見知らぬとこで七色が (42)
決めたゴールを走れ (93)
ゴールの先に在るもの (11)
銀の翼が恋を知る (41)
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雨上がりの最果てで (58)
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最終更新2013.6.2
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私にも何かやれることはないか、
と思ってリンクを繋ぎました。
小児ガンや無毛症、事故等で、
髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 雨上がりの最果てで 42 ]
2013-02-09(Sat) 07:15:00
逢えるなら逢いたいし、できれば死にたくない。
でも、戻ることのできる方法は見つからなかった。
俺にだってどうすればいいか判らない。
浮いていた俺は、波多野の隣に立つ。
この目線、この角度、どこから見ても好きだった。
大好きで大好きで、ずっと見ていたかった。
「嫌いじゃない。好きなんだ、波多野」
心からそう思っている。
瞬間、再び丸椅子が倒れ、みんなが凍りついた。
いや、みんなじゃなかった。
「また倒れた‥どこが壊れてるのかな‥」
椅子を直した波多野が呟いた。
波多野以外は、微動だにせず波多野のことを、
固まったまま眺めている。
そんな波多野の言葉に反応したのは、
兄貴の隣にいる満さんだった。
「また、ですか?」
「そうです。たまに今みたいに倒れるんです」
「たまに?どんな時にですか?」
「え?あの‥それは‥ここじゃちょっと‥」
満さんは波多野を連れて、ここを退室していった。
気になった俺はドアをすり抜けて、2人の動向を見守る。
「ここなら誰もいません。
私にだけでも教えて頂けませんか?」
「いいですけど内緒話でもいいですか?」
「構いません。お願いします」
満さんが屈んで、波多野がそっと耳打ちする。
残念ながら俺にはその内容までは聞こえない。
波多野がちょっと赤面しているのが印象的だった。
どんなことを教えているのだろうか。
少しして話が終わり、波多野と満さんは病室へ戻った。
そして、兄貴へ満さんが唐突に訊ねた。
「舞斗君、郁央君の嫌いなもの知っていますか?」
「え?何ですか急に?」
「いいから教えて下さい」
「えと、ピーマンとゴーヤが嫌いだったはずですけど」
兄貴の回答に、ヒロさんが口を塞いで笑い出した。
「郁央、ピーマンとゴーヤが嫌いだったのか。
やっぱりまだまだガキだな、くくく」
「俺もちょっと前まではゴーヤ嫌いだったけどな」
腕を組みながら口を挟んだのは、後藤野選手だった。
額の脇に、ぴくぴくと怒りマークを浮かべている。
そんな後藤野選手に、ヒロさんは平謝りをした。
前澤チーフが後藤野選手を優しくたしなめ、
ヒロさんと共にカズさんも謝っていた。
次第に、なぜか餃子の話題になり4人は仲良くなった。
「郁央君に、ピーマンを押し込んでみませんか。
あ、ゴーヤの餃子でもいいですよ。
そうすれば飛び起きるかもしれません」
「ちょ‥ちょっと!やめてよ満さん!」
聞こえないと判ってても、俺はつい焦って言った。
丸椅子が、がしゃんと音を立て倒れて、
再びみんなが固まった。
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