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  [ 雨上がりの最果てで 50 ]
2013-02-19(Tue) 05:00:00
翌日の午前中、波多野家に電話した。
初めはおじさんが出て、続いておばさんが出て、
星ちゃんとも喋ることができた。
みんな、俺がここまで元気になったのを喜んでいた。

泊まりに行くことを伝えると、
ごはんを作っておくから手ぶらできてね、
とおばさんに言われた。
今度、おじさんとおばさんが家にいる時にいって、
お礼を言おうと俺は思った。

バイトが終わって、波多野家にお邪魔する。
用意してくれていた夕食は、ミートグラタンだった。
これ、おばさんの得意料理なんだよね。

波多野と一緒に、テーブルに並べてごはんを食べる。
なんか、同棲してるみたいでくすぐったい気持ちになった。
でも、こういうのを幸せって言うんだろうな。
自分で判るほどにやにやと笑顔が止まらなかったっけ。

で、ごはんが終わって何をするのかと思いきや。

やっぱり俺達にはこれしかない。
そう、ゲームのレベル上げとアイテム集めだ。

波多野は、俺がいない間に、
せっせとレベルを上げていたらしい。
討伐クエストにも何回かクリアしたらしく、
レアアイテムも結構所持していた。

「すごい頑張ったじゃん」
「仲村さんが退院したら、レアアイテムあげたくて」
「え?どうして?」
「謝るきっかけにしたいって思ったんです」

入院前、俺達は倉庫で、ちょっと言い合いをした。
突き放そうとしてあんな言い方をしたのに、
波多野は、それを謝りたいって思っていたらしい。
俺は、しゅんとして肩を落としてしまった。

「ごめん。謝るのは俺だよ」
「違います。俺ですから」
「俺のほうだって言ってんじゃん」
「だから、それは俺ですってば」

っと、いけないいけない。
せっかく2人きりの空間だってのに、
これじゃあムードが悪くなってしまう。
波多野も、同じことを思ったらしい。
俺達は、ぷっと吹き出した。

「それならお互い様ってことで」
「そうですね」
「よし!じゃあ狩りに行くか!」
「はい。どのクエストから行きましょうか」
ゲーム機を握った、俺達。

甘いムードになるのはまだ早い。

ゲームで遊んでからでも遅くはないはずだ。

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