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  [ 雨上がりの最果てで 51 ]
2013-02-20(Wed) 09:35:00
ゲームは満足のいく結果となった。

これまで倒すのが難しかったモンスターを、
あっという間にやっつけてしまった。
結果、レアアイテムも手に入れることができた。

波多野が、キャラのレベルを上げていたから、
ここまでクエストをクリアすることができた。
俺達はほくほくした気分になった。

夜も更けて風呂を先に借りた。
部屋に戻るといつもみたいに布団が置かれたあった。
どうやら、俺がいない間に、
波多野がせっせと準備してくれたらしい。

波多野の風呂中、俺はゲームで遊んだ。
アイテム集めくらいなら、1人でも充分だし、
気だってどうにか紛れさせられる。

ベッドと布団のある部屋で、じっとしていられない。
俺だって年頃の男なんだから、
色々と期待し、そわそわだってしてしまうのだ。

一応コンドームとローションは用意した。
使う時にすぐ取り出せるよう、バッグの外側のポケットに、
こっそりと忍ばせてある。
コンドームは昔の彼女と使っていたやつだけど、
ローションは通販で購入したやつだ。

あれ、そう言えば、バッグの外側のポケットって、
右側と左側、俺はどっちに入れてきたんだっけ。
屈んでバッグのポケットを確かめていると、
風呂から戻った波多野が、頭にタオルを乗せて戻ってきた。
ヘッドスライディングして、バッグから遠ざかる。

「えへへ。ちょっと長風呂しちゃいました。
 仲村さん?どうしたんですか?」
「ぜえぜえ。別にバッグの中なんか見てないし」
「はあ、そうですか‥?」

きょとんとしながら、波多野が隣に座る。
シャンプーなのかボディーソープなのか、
甘くていい香りが、ふわりと鼻を掠めてきた。

おかしい、おかしいぞ。
俺だって同じものを借りて使ったのに、
どうして波多野からだけ、
こんなにいい香りが漂ってくるのか。

おかしのように美味しそうで、
チョコのように甘そうで、
波多野の全部を、今すぐにでも食べちゃいたい。

「あの‥仲村さん‥」
「ん?」
「顔が近い‥です‥」

俺はいつの間にか、波多野の首筋に、
鼻を寄せて甘い香りを、まったりと堪能していた。
「うわあ!ごめん!」

真っ赤になった俺は離れた。
すると、今度は波多野が、ずいっと迫ってくる。
その顔は俺と同じで、真っ赤だった。

「あの‥顔が近いのは別に構わないんですけど‥」
「え?そうなの?」
「だって、あの、そういうつもりで、
 泊まりにきてほしいって言ったんですから。
 でも、いきなりだから‥びっくりして‥」

波多野の精一杯の言葉に、嬉しくなって笑った。
やっぱり、そういうつもりで泊まりに誘ってくれていた。
今晩中にゴムとローションの出番がありそうだ。

「じゃあ、キスしていい?」
波多野の頬に触れ、笑いながら訊ねると、
目がゆっくりと閉じられた。

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