BLUE BIND
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最終更新2013.6.2
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と思ってリンクを繋ぎました。
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髪を失った方へ髪を寄付している
NPO団体のホムペです。
水色も伸ばして寄付する予定です。
ジャパンヘアドネーション
これは皆様もご存知のはず。
実は私、献血大好きなのです。
いつも400取ってもらってます。
体力的・時間的に余裕のある方々、
ぜひご協力をお願い致します。
日本赤十字社
寄付や献血を、行ったり訴えることが、
キレイ事に見えても構いません。
必要としている人がいるのは確かです。
実質的な行動はなくとも、
こういうのがあるということを、
知ってもらえるだけでも嬉しいです。
お読み頂きありがとうございました。
[ 君とは幸せになれない 4 ]
2013-03-26(Tue) 06:20:00
男子トイレには個室が2つあった。
鍵なんかしている暇はなかったらしく、
藤ヶ谷君は、ドアを開けたままで吐いている。
背中が、あまりにも苦しそうに見えて、
苦しさが癒えるように静かに擦ってあげた。
「藤ヶ谷君、大丈夫?」
後から声をかけると、真っ青な顔が、
ゆっくりと振り向いて僕を見る。
幽霊にでもなったかのような表情だった。
「大丈夫‥です‥」
「家まで送ろうか?ここから近いのかい?」
「いえ‥遠いので気にしないで下さい‥」
「気にしないで下さいと言われても」
「吐きまくれば帰れますから‥」
そう言うと、トイレにまた吐いてしまった。
気にするなと言うが、そういう訳にもいかず、
しばらく傍で背中を擦ってあげる。
若い頃に、僕にもこういうことがあったなと思い、
声には出さずに静かに笑った。
やがて、藤ヶ谷君が、ぴくりと止まった。
どうやら全て吐き尽くしたらしく、
トイレに乗っかったまま眠ったらしい。
吐いた後、こんな場所で、こんな格好で、
寝てしまうなんて思いもしなかった。
そのまま放っておく訳にもいかず、
ペーパーで顔やら服やら拭いていると、
心配した仲村君が、いいタイミングでやってきた。
「大津さん、藤ヶ谷は?」
「飲んで吐いて倒れて、そのまま眠ってしまったよ」
「え?これからどうしますか?」
「僕の家、近いからタクシーで運ばせてもらうよ。
悪いんだけど楠さんに、このこと報告してくれるかい?
それと、僕のバッグを持ってきてくれないかな」
「あ、はい。すぐに戻ります」
「悪いね。頼んだよ」
仲村君は、急いで行って急いで戻ってきた。
「はい、バッグです。楠さんがタクシーを頼んでます。
大勢でトイレにきても仕方ないからって、
ここにこないけど気をつけて帰るようにと言ってました」
藤ヶ谷君を、よっこらしょっとおんぶする。
脱力しきっている人間をおんぶするのは一苦労だ。
「そうかい。ありがとう」
仲村君に微笑み、僕は店を出た。
タクシーが店前で待機していた。
スーパーバイザーの配慮にはいつも感心させられる。
感心しつつドライバーに手伝ってもらいながら、
藤ヶ谷君の体をどうにか後部座席に乗せた。
隣に僕が座って行き先を告げると、タクシーは出発した。
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