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  [ 君とは幸せになれない 5 ]
2013-03-27(Wed) 07:00:00
自宅に到着し、再度ドライバーに手伝ってもらって、
藤ヶ谷君をまたもや背負った。
バッグから鍵を取ってドアの鍵を開ける。
眠っている藤ヶ谷君を落とさぬよう、
ゆっくりと前に進みながら家に入っていった。

とりあえず、1階の寝室へ、静かに運ぶ。
いつも僕が使っているベッドに腰を下ろしてから、
藤ヶ谷君の体をそっと横にした。

「ふう、疲れた」
そんな独り言が出るほど、僕はかなり疲れていた。

額に触れると汗が流れている。
バッグから取り出したハンカチで額を拭った。

一方で藤ヶ谷君は、気分の悪そうな表情で寝ていた。
弱々しく閉眼し、顔がまだ青ざめている。
とりあえず、着ていたジャンバーだけでも脱がしてやると、
吐いたもので中のシャツが汚れていた。

このシャツを着たままでベッドを使われるのは、
あまりいい気分ではない。
そう思った僕は、そのシャツも脱がしてしまった。
脱力している人間をベッドで脱衣するのは、
想像よりもとても大変だった。

インナーまで染みついており、全てを脱がした。
すると、真っ白い肌が、僕のベッドで露わになった。

ごくり、と喉が鳴る。

実は僕は、同性愛者だ。
女性との経験は、たった一度だけある。
しかし、それはトラウマとなった。

恋人のいた時期もあったが現在はフリーだ。
こんな年齢になると、恋だの愛だのに疲れて、
フリー同士で適度に性欲を解消していた。
安全に、自由に、そして気ままに過ごすのがいい。

デリヘルにも飽きてしまいしばらく使っていない。
フリー同士だとどうしても同年代になってしまうので、
こんな若い子の肌を見たのは、とても久々だった。

肌に触れて指を滑らせる。
若々しい皮膚が、輝いて見えた。

そして、僕はきっと疲れていたのだろう。
潰れているから判らないだろうと思ってしまい、
そっと唇を落とした。
素肌が歓迎し、ぷるんと弾いた気がした。

ここまで介抱したんだから褒美があってもいい。
調子に乗って胸元の赤みに、そっと唇で吸ってみた。
デリヘルを使っている時もそうだったが、
若いエキスを吸っている、そんな気分になる。

「ん‥」
藤ヶ谷君が、呻いて寝返りを打った。

とりあえず、これで打ち止めだろう。
それだけでも僕が満たされたから、まあいい。
気分もそれなりに満足した。

藤ヶ谷君に布団をかけ、シャワーを浴びに行った。

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