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  [ 君とは幸せになれない 12 ]
2013-04-10(Wed) 06:30:34
食事を終えて玄米茶を飲むと、ほっと和んだ。
藤ヶ谷君も同じようで和んでいる。
僕達は足を延ばして同時に息を吐いた。

「ご馳走様、藤ヶ谷君」
「こっちこそ半分貰っちゃってご馳走様でした」
「すごく美味しかったよ」
「出来立てはもっと美味いですよ。
 今度、ここのお店に行きませんか?」
「そうだね。行ってみよう」

ここで、僕はあることに気がついた。
藤ヶ谷君が昨日、シフトの調整後にもじもじしたのは、
これだったのだろうか。

「もしかして、昨日、
 僕のことをごはんに誘おうとしたかい?」
「あ、いや、あれは‥その‥」

昨日と同様、またもじもじしている。
否定しないということは正解だということだ。

「そうだったの。ごめんね」
「謝らないで下さい。大津さんの邪魔したくなくて、
 誘わなかったの俺なんですから」
「いやいや、そんなことないよ。
 僕こそもうちょっと察せればよかった。
 どうも僕はそういうの鈍くてね」

頭をぽりぽりと掻きながら笑う。
すると、藤ヶ谷君も、嬉しそうに笑った。

ふと、藤ヶ谷君のシャツに茶色いものを発見した。
お好み焼きのソースが零れ落ちたらしい。
シャツが白とピンク色のチェックで、余計に目立つ。

藤ヶ谷君が、僕の目線を追う。
そして、シャツのソースを目撃してぎょっとした。
「うわ!ソースついてる!」

ハンカチを取り出してソース跡を擦る、藤ヶ谷君。
当然、ソース跡は広がって、大きな染みを作った。
藤ヶ谷君の顔色が、面白いくらい青白くなっていく。

「このシャツ気に入ってるのに‥」
「染み抜きしてあげるから服を脱いでごらん。
 今、代わりのシャツを持ってくるから」

急いでシャツを取ってきて、藤ヶ谷君へ手渡す。
次いで、濡れたタオルと乾いたタオル、
洗剤とティッシュも用意して、急いで染みを抜いた。

時々、ちらちらと藤ヶ谷君へと視線をやる。
藤ヶ谷君は、シャツのボタンを嵌めないでいた。
シャツから覗いている肌が、どうにも気になったが、
あまりじっと見ると怪しまれてしまう。

なぜボタンを嵌めないのかは判らない。
しかし、いい眺めだと思いつつ、
ちらちらと見ながら楽しませてもらった。

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