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  [ 君とは幸せになれない 14 ]
2013-04-12(Fri) 06:55:00
どくん、と胸が鳴る。

直後、ばくばくと心臓の鼓動が急速になった。
じわりと額に汗が滲み出ている。
暑いのか寒いのか、それすら判らない。

藤ヶ谷君は、あの時だけ起きていた。
そして、僕がしたことを覚えているんだ。

ちょっとした出来心だったのだが猛反省した。
いや、反省しても手遅れなのだ。
藤ヶ谷君の口調は、疑問ではなく断言だったのだから。

これからの僕はどうなるのだろう。

脅されるのか、罰せられるのか。
それとも出るところに出てしまうのか。

オルテンシアを辞めざるを得ないかもしれない。
望まなかったこととは言え、店長になった矢先、
とんでもない不運に見舞われてしまった。

額の汗が、更に溢れるように滲み出る。

僕は覚悟を決め、呟くように言った。

「何をしたらいいんだい僕は?」

藤ヶ谷君の目線が、僕に戻る。
しばらく見つめ合った。
そして、黙っていた口がゆっくり動いた。

「同じことして下さい」

予想外の言葉に、息を吸い込む。

藤ヶ谷君が、目をしっとりと濡らしながら、
色っぽくこっちを見ていた。

「同じことして下さいって言ったんです」

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