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  [ 君とは幸せになれない 15(R18) ]
2013-04-14(Sun) 06:35:00
「大津さん、こっちの人なんでしょ?
 俺もこっちの人ですから」
こっち、という表現はきっと、
同性が好きだという意味で捉えるべきだろう。

藤ヶ谷君も、僕と同じ。

だから、僕のことを誘ってきた。

ばくばくと騒いでいた胸が、少しだけ静まる。
その変わり、さっきとは別の緊張が襲ってきた。

どうしようか、どうすればいいのか。
このまま手を出していいのか。
言われるがまま従ってしまったら、
それこそ、脅されたり罰せられたり、
金銭の要求とか、されるのではないか。
自分の中の葛藤が続く。

すると、藤ヶ谷君が、ぷっと笑った。
「考えすぎですよ。何もしませんって。
 だから、同じことして下さい」

僕の手を胸に導き、そっと赤い突起に触れさせる。
膨らんだ先端に宛がうと、藤ヶ谷君は自分で、
ゆっくり僕の手を動かして、自分の胸元を刺激した。
ころころと回る突起の感触が伝わってくる。

「ん‥っ」
僕がここを舐めた時と、同じような声がした。

藤ヶ谷君が、ふるっと体を震わせる。
こうされるのが気持ちいいらしい。
僕のことをからかっている訳ではなさそうだ。

それでも、謎が残る。

「どうして、僕がこっちだと判ったんだい?」
ゆっくりと胸を撫でながら僕は聞く。

「だって、あんなに嬉しそうに舐めていたから」
「あんなに嬉しそうに?」
「舐めている時、すごく嬉しそうでした」

そんな顔だったとは知らなかった。
今の僕も、嬉しそうな顔なのだろうか。
知らないうちにだらしない顔でもしていたら、
自分で自分が、怖いような気がする。

きゅっと口を引き締めると、
藤ヶ谷君がおかしそうに微笑んだ。
「あはは。警戒しすぎですよ大津さん」

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