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  [ 青い空を見上げて2nd 25 ]
2010-07-08(Thu) 09:10:17
笹崎侑津弥


木曜の放課後。
ジョーは、ミレトスを家まで送るみたいで、
ホームルーム後に教室を出ていった。
クレウスは、どうやら一人で帰途についたらしい。
けど、桜通りで囲んできた女子と話をしながら、
そのまま駅へむかったのがここから見えた。
言葉も丁寧で、それに優しくて、クレウスは人気があるんだ。

ここは、屋上。
ちょっと家に帰りづらくて、気付いたら屋上にいた。

今日も、ジョーはいつも通りミレトスを迎えにいった。
俺は、朝ごはんを食べて、一人で登校し、
教室に入って自分の席についた。

ぼーっとイスに座っていると、
クレウスが大勢の女子と一緒にやってきて、
ジョーとミレトスも、仲良さそうに教室へときた。
相変わらずミレトスに腰をとられているジョーを見て、
はあっと溜め息をつく。

それに気付いたのか、ジョーが俺を見て笑った。

『2人きりで一緒にすごそう。な』

昨日のジョーの台詞が、ふと頭に浮かぶ。
だけど、何となく笑い返せず、ジョーから目を逸らした。

家に帰ってジョーと顔を合わせるのが、ぎこちない。
でも、いつまでも屋上にはいられない。
もうそろそろ帰らないとだめだよな、やっぱり。

掃除の終わった教室に入ると、がらんとして誰もいなかった。
机のフックにかけたカバンを取ろうとして、
窓の外からの部活動の声が聞こえた。

サッカー部、野球部、ソフト部、陸上部が、
所狭しとばかりに練習している。
狭いと言っても、野球グランド2個分ぐらいの校庭なんだし、
それなりに広いことは広いだろうけど、
さすがに運動部4組もいると、かなり狭く感じた。

ぽてっと窓枠に頬杖をついて、それを眺めた。
やっぱり、目は陸上部に行く。
ストレッチしたり、走ってタイム計ったり、
フォーム見直ししたりと、みんな楽しそうだ。

と、がたんと後で音がした。
慌てて振り向くと、そこに仁志がいた。

「悪い悪い、うるさかったな」
仁志は、日に焼けた黒い顔に、白い歯をきらりと見せ笑った。
シャツと短パンが泥だらけだ。
ランニングはあまりしないらしいけど、キーパーも大変そうだ。

「‥いや、平気」
「ウッチ帰らないのか?」
「‥うん‥まあ、ちょっと」
「もしかして阿久津とケンカでもした?」 
   
ケンカはしていないけど、ジョーが関わっているのは確かで、
仁志の直感に、びくっと体が震えた。

だけど、そこにジョーが出てきたのは、どうしてだろう。
仁志をはじめとするクラスメイト全員は、
ジョーの家に俺が住んでいること、たぶん知らない。
教頭も結城も、たぶん言ってないと思う。

「‥どうして、そこにジョーが出てくるんだよ」
「だって、いつも2人でいるじゃん。つるんでいるんだろ?」

俺達はつるんでいるって関係なのかな。

それとも、恋人?

じゃなくて、友達?

境界線が、はっきりと見えない。

「‥さあ。どうだろうな」

俺とジョーの関係って何だろう。
たぶん恋人同士だろうけど、
ジョーも同じようにそう思っているだろうか。

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