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  [ 君とは幸せになれない 23(R18) ]
2013-05-08(Wed) 06:05:00
後処理が終了し、彼は静かに横に下りた。
僕の隣に、笑いながら寝そべってくる。
まるで猫のように、僕の体に顔を摺り寄せた。

「ふああ、気持ちよかった」
スポーツで汗を流したかのような、明るい声。

照れるでもなく恥ずかしがるでもない、声色と態度に、
彼のことは好きでも嫌いでもないが、
僕らしくないほど妬いているのを感じてしまった。
そして、とても複雑な心境になった。

彼は、こういうことに手馴れているのだろう。
だから、セックス後に甘えてきたり、明るい声が出せる。
普通だったらちょっとは気恥ずかしくなる場面だが、
慣れている彼には、それがないのだ。

まあ、確かに僕も、そんなに恥ずかしくはない。
しかし、それは年齢や経験があるからで、彼はまだ若い。

この若さで、どれだけの経験があるのか。
いつか、またの機会があったら質問してみよう。

「気持ちよかったね真康」
「うん。ねえ、これから一緒にお風呂入ろうよ」
「一緒にかい?」
「そうだよ。俺、洗ってもらうのが好きなんだ。
 あ、洗ってあげるのも好きなんだけどね」

そう言って、僕の萎えたソレに彼が触れる。
ソレの周りは、ローションでべたべたになっていた。
当然、彼の後も、べたべたのはずだ。

「公明のここ丹念に、しっかり洗ってあげる」
「それなら、僕は真康の後を、しっかり洗ってあげよう」
「本当?あはは、やった」

彼は嬉しそうに頬を緩めた。
そんな彼に、僕はふと訊ねてみる。

「それが本来の真康なのかい?」
「え?それって?」
「フランクな感じとでも言うのかな。
 僕はそれがイヤではないけど気になってんだ」
「裸でいる時って、年齢とかって関係ないから、
 誰とでもわざとタメ口にすることにしてるんだ。
 それとも、敬語のほうがいいですか大津さん?」

わざとらしく言ってから、実に楽しそうに彼が笑う。
僕のことをからかっているのだと判った。

「タメ口で構わないよ、真康」
言いながらキスをすると彼は、嬉しそうに笑った。

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