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  [ 君とは幸せになれない 24 ]
2013-05-12(Sun) 05:30:00
湯を溜めながら洗い合った。
肌や毛についたローションを湯で流した。
そして、まったりとしたムードで、
向かい合いながら、共に湯船に浸かる。

「これからどうするんだい。
 お風呂を上がったら帰るのかな?」
まだ電車のある時間で、帰ろうと思えば帰れる。
食欲も性欲も、彼はここで満たしたはずだ。
あとは残る欲と言えば、もちろん睡眠欲だけになる。

僕は、明日は11時出勤の予定だ。
彼は、明日は遅番で、バイトが16時からだ。
確かバイトの前は、大学での授業がある。
僕としては泊まっても帰っても、どちらでもいい。

「帰らないで泊まっていい?」
「ああ、いいよ」
「よかった。いいよって言ってくれると思った」

誰かがここに泊まるのは珍しいことだ。
デリヘルで家までくる子は、やることやったら、
とっとと帰ってしまう。
だからってお泊りコースは、高すぎて使おうと思わない。
1泊するような友達も、いいのか悪いのか僕にいない。

さて、彼はどこで寝たいだろう。
ベッドはセミダブルで、2人でも何とか眠れる。
1人で寝たいと言うなら、僕はソファで寝てもいい。
幸いなことに僕は、どこでも眠れるし。

そんな考えを読んだのか、彼はこう言った。
「公明と一緒に、ベッドで寝たいな」

僕は驚き、びくりと体を震わせた。
途端、しゅんと彼の顔が沈んでしまった。

「ごめん‥ちょっと調子乗ったかも‥」
「あ、いや、驚いただけで怒っていないよ」
「そうなの?」
「そうだよ。泊まっていいと言っただろう。
 僕でいいならベッドで寝よう、一緒に」

明るく笑った彼に、どきっとした。

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