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  [ 君とは幸せになれない 25 ]
2013-05-13(Mon) 06:00:18
一緒に眠って、一緒に起きて、
一緒に朝ごはんを食べた。
ごはんはリクエストで、おかゆを用意した。

「こんなものでいいのかい?」
「うん。公明のおかゆ美味しいから」
「そうかい。ありがとう」

前回同様、おかゆと漬物と煎茶を用意して、
テレビを見ながら食べた。
ごはんが終わったらここを出ていくのだろう、
彼はもう身支度を済ませて、バッグも傍に置いている。

ごはんが終わって、彼はバッグを手にした。
「ごちそうさま。俺もう行くね」

彼は笑いながら立ち上がり、玄関へと直行する。
僕は、彼のことを見送るために追った。

彼はブーツを履き、とんとんとつま先を打ちつけて、
ブーツの足元の位置を調整している。
それが済んでバッグを担ぐと、真っ直ぐ僕を見た。

「じゃあ、またオルテンシアでね」
「ああ。気をつけて行くんだよ」
彼は、笑顔で頷いてから玄関を後にした。

またくるね、という台詞はなかった。
いや、そんな台詞があるほうが不毛か。
僕達は、たまたま職場が一緒というだけで、
セックスしたのは成り行きなのだから。

それに、彼はまだ若い。
これから付き合うのも、セックスするのも、
僕のような中年よりも若いほうがいい。
僕なんかとでは楽しくないだろうし。

さて、天気がいいし洗濯をしよう。
ベッドのシーツに、ラバーシーツも、タオルも、
濡れたままかごに放ったままだ。

玄関から脱衣所へ、僕はのんびりと歩いた。

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