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  [ 君とは幸せになれない 29 ]
2013-05-25(Sat) 06:00:00
藤ヶ谷君の考案で、新しいキッズメニューを作った。

現在、ナポリタンかもしくはミートソース、
それに生サラダとジュースしかつかないメニューに対して、
クリームソース系のパスタを加えることにした。
ついでに、子供が食べやすいように温野菜に変えてみる。

「なるほど、これはいいね」
「でしょう?俺いつも思ってたんです。
 どうしてキッズにはトマト系だけなのかなって。
 生サラダだって体にはいいですけど、
 食べにくそうにしている子がかなりいます」

フロア担当ならではの目線なのだろう。
配膳をしながらそんな光景をこれまで何度も、
見てきたに違いない。

僕もフロアに立っているが、配膳をする機会は、
ほとんどなかったりする。
店長は、レジ担当なのがオルテンシアの基本なのだ。

「確かに温野菜は食べやすね。
 大人だってクリームパスタを注文するんだから、
 子供にだってその権利があってもいい」
「そうですよ。オルテンシアのクリームパスタって、
 美味しいですし人気ありますから」

子供が好きそうな具材を使ってみた。
具材は、小さくしたり食べやすい形にする。

今度の発表は、これでいける。
これらを藤ヶ谷君と試食しながら、そう確信した。
藤ヶ谷君も同様で、嬉しそうに笑っていた。

ごはんを終えて、ささっと食器の片付けをする。
そして、水に濡れた手を拭いて、僕はこう言った。

「さて、そろそろ風呂行くかい?」
「へ?あ、はい」

藤ヶ谷君はまだ敬語だった。
セックスしないと、スイッチが切り替わらないのか。
先日とのギャップについ微笑んでしまう。

脱衣所で服を脱ごうとすると藤ヶ谷君の手が伸びてきた。
「俺がこれ脱がしていい?」

強張っている目元が、少し赤い。
動きがぎくしゃくしているようにも感じた。
どうして僕の服を脱がしたいのか、真意は不明だが、
やりたいならやらせてあげようじゃないか。

「ああ、それじゃあお願いしようかな」

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