BLUE BIND

BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
  [ 君とは幸せになれない 37(R18) ]
2013-06-09(Sun) 05:05:00
繋がったまま彼が、僕を見る。
涙に汗に涎に、顔がたくさん濡れていた。
それでも、彼はなぜだか嬉しそうだ。

彼の唇が、僅かに尖った。
ぴくぴくと尖ったまま動かしている。
これは鈍い僕でも、誘われているのだと判る。
誘われるがまま僕は、キスをした。

キスは、汗やら涎やらで、しょっぱかったが、
とても甘ったるい味もした。
それらをじっくり楽しみながらキスをしていると、
くちゅり、と音を立てながら舌が潜ってきた。
彼のほうから僕のことを求めてきたのだ。

甘えるような求めるようなキス。

それはまるで恋人同士のようだった。

彼のことは嫌いではない。
正直、好きになりつつあると感じている。

けれでも現時点では恋人ではない。
こんなムードを醸し出してしまったら彼に悪い。

僕は唇を離し、繋がっているところを離した。
萎えたソレからコンドームが外れそうになって、
少し慌てながらも手を添える。

液が漏れないようにゴムの口を縛っていると、
徐々に彼の入口が、じわりと元の形に戻っていった。
情事後の入口は、ひくひくと蠢き続けていて、
まだ足りないかのように誘っている。
いや、僕にとってそう見えているだけで、
身体の普通の現象で、実はそうではないと判っている。

「ふう‥っ」
彼が、僕のほうをむいて座った。

彼のソレも萎えている。
ソレの周りは、白いものやら汗やらで、
べたべたしていた。
僕はシャワーとボディソープを取り、
べたべたしているものを洗い流していった。
ついでに、僕のべたつきも流していく。

彼は一言も発さず、ただ嬉しそうな顔で、
僕のしていることを眺めている。
僕も一言も発さず、きっと彼と同じ顔をしながら、
シャワーで流しているだろう。

沈黙すらとても心地よかった。

次話へ 前話へ

お気に召しましたら一票お願いします。
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ


君とは幸せになれない | TB:× | CM : 0
君とは幸せになれない 36(R18)HOME君とは幸せになれない 38

COMMENT

COMMENT POST

:
:
:
:



 
 管理者にだけ表示を許可する


copyright © 2024 BLUE BIND. All Rights Reserved.
  
Item + Template by odaikomachi