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  [ 君とは幸せになれない 38 ]
2013-06-10(Mon) 04:35:00
体をシャワーで流してから、
僕達は裸のままで寝室で休むことにした。
ベッドに潜ると、嬉しそうなままの彼が、
ぎゅっと僕に抱き着いてくる。

嬉しいことは嬉しいが、複雑な心境だ。
あまりくっつかないでほしい。
僕も男で、こうされると勘違いしてしまう。

「どうしたんだい?」
「別に」
「別にって言うけど、嬉しそうな顔だよ」
「まあ、そうだね。そりゃあ嬉しいよ。
 だって、セックスが気持ちよかったから。
 公明はセックスが気持ちよくなかった?」
「ちゃんと気持ちよかったさ」
「俺達ってセックスの相性いいのかもね」

セックスの相性はいいだろう。
身体の相性や、タイミングが合うのだから。
それ以外の相性は未知だが。

「公明、またセックスしようよ」
軽めに言われ、びっくりした。
いや、セフレの関係なんて、
こんなふうに軽いものなのかもしれない。

「タイミングが合えばね」
「今度は俺からじゃなくて公明が誘ってね」
「できるだけ努力はしてみるよ。
 ただ、しばらく忙しくなりそうなんだ」
「よくある常套句じゃない、それ」
「いや、常套句じゃなくて本当なんだよ。
 会議に、面談に、パスタの新作発表もあるし、
 各新作へのレポート提出もある」

そう言うと、びっくりした彼が顔を上げた。
「え?そんなのがあるの?」
「そうだよ。だから言ったじゃないか。
 店長なんて面倒臭いって」

すると、ぶすっとして彼が唇を尖らせた。
「じゃあ、いつなら時間できそう?」

どうやら行為の3度目を期待していたらしい。
先程やっと終了したのに、次のことを考えているのだ。
僕が若い頃は、こんなに性欲旺盛ではなかった。
彼らしさと若さに、つい微笑んだ。

「ちゃんと僕から誘うから。
 それまでいい子にして待ってられるよね」
「うん。ちゃんと待ってる」
頭を撫でてやると彼が笑う。

人懐こい笑顔に、どきりと胸が鳴った。

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