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  [ 君とは幸せになれない 54 ]
2013-07-20(Sat) 06:10:38
僕達は、そのまま眠ってしまった。

これまでにないほど、ぐっすり眠れた。
疲れもそれなりにあったと思うが、
それよりも、心が満たされて深く眠れた。

目を開けると彼は起きていた。
少しばかり恥ずかしそうな顔をしている。

「おはよう」
「おは‥よう‥」

僕は恥ずかしそうな彼に笑ってしまった。
笑いをどうしても堪えられなかった。
だって、彼の目が、真っ赤になって腫れ上がっている。
昨日、あんなに泣いたからだ。

「何?」
「目がすごく腫れているよ」
「俺、泣くとすぐに腫れちゃうんだ」
「そうかい。あとでタオルを用意してあげよう」
「うん。ありがとう」

言ってから彼が、僕の胸にもぞっと顔を埋める。
ちょうどいい体温が気持ちよかった。

「昨日の出来事、少しは覚えてる?」
「覚えているどころか忘れたりしないよ」

彼は、まだどこか不安そうだった。
昨日の告白を、疑っているのだと思う。

彼の唇に、キスをした。
「好きだよ、真康」

乾いた唇が、ふるっと小さく震えた。
不安そうな表情が、ゆっくり綻んでいく。
そして、にこりと笑ってくれた。

「俺も好きだよ、公明」

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