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  [ 君とは幸せになれない 61 ]
2013-08-15(Thu) 06:40:06
息子と性交渉した。

息子と恋人になった。

息子と知らずに幸福に浸っていた。

自分のしてきた出来事に、何度も嘔吐した。
考えれば考えるほど、自分のしてきたことは異常で、
異常と思うほど気持ち悪くなった。

オルテンシアを欠勤して3日目になっていた。
こんな状態で仕事はできない。
いつものように笑っていることもできない。
スタッフからは心配するメールや電話もきているが、
返信することも不可能だった。

ごはんも食べていないし食べられない。
水を飲むだけで体が拒み、すぐに吐いてしまう。
食べることが怖くなってしまった。

その日の夜だった。

インターフォンが鳴った。

ぎくりと体が震える。

彼がここへ訪ねてきたのか。

インターフォンのカメラを見てみると、
そこにいたのは楠さんだった。
懐かしいスーツ姿に、ほっと胸を撫で下ろした。

「はい‥」
「楠です。大津さんのお見舞いにきました」
「そうですか‥すみません‥」
「少しだけ上がって構いませんか?」

インターフォン越しに見える、楠さんの笑った顔。
久々の笑顔に、ほっとして泣きそうになる僕がいた。

僕は顔を洗い、タオルで滴を拭いながら、
ふらふらと玄関へとむかって出迎える。
「どうぞ‥」

僕の顔を見て、楠さんが悲痛そうな顔になった。

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