BLUE BIND

BL小説ブログ。危険を感じた方はお逃げ下さい。
  [ 君とは幸せになれない 68 ]
2013-09-24(Tue) 06:50:00
しばらくして泣き疲れてしまった。
それは彼も同じで、泣き声はもう僕に聞こえない。
抱き合いながら僕と彼は、静かに座っていた。

やがて、アクションを起こしたのは彼だった。

僕を見て、少し笑い、ゆっくりキスをしてきたのだ。

慌てた僕は、真っ赤になりつつ顔を離す。

「な‥何をするんだ‥っ」
「キスしたんだけど?」
「そ‥そんなことは判っている‥っ」

言いたいことが続かなくて、
魚のように口を、ぱくぱくと動かし続けてしまう。
焦る僕に、くすりと彼が笑った。

僕達は血縁者だ。
だからもう、キスとかセックスとか、
そんなことをしてはいけないんだ。
恋人になったがそれを解消しないといけないんだ。

そう言いたいのに口にできない。
むしろ、僕のそんな考えを、彼は読み取り、
その上でキスをしてきたのだと思う。
何もかもをキスでリセットしようとしている気がした。

それでも、だめなものはだめだ。
僕の中の、倫理論や背徳心が、だめだと言っている。

「だめだよ。キスしてはいけない。
 だって、僕達は血縁者だ」
「恋人なんだから関係ないよ」
「真康、僕の言ったことを聞き分けるんだ」
「イヤだ。俺はそんないい子じゃない」

言いながら彼は、僕のシャツを脱がしていき、
そのシャツで僕の手首を縛ってしまった。

次話へ 前話へ

お気に召しましたら一票お願いします。
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ

君とは幸せになれない | TB:× | CM : 0
君とは幸せになれない 67HOME君とは幸せになれない 69(R18)

COMMENT

COMMENT POST

:
:
:
:



 
 管理者にだけ表示を許可する


copyright © 2024 BLUE BIND. All Rights Reserved.
  
Item + Template by odaikomachi