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  [ 君とは幸せになれない 76 ]
2013-11-28(Thu) 05:30:32
オルテンシアの閉店時間になりクローズした。
みんなは帰って行ったが、僕はまだ残っていた。
伝票整理、シフト作りもあり、
デスクワークがまだ終わっていなかった。

ただ、デスクワークは厄介なものでもあり、
やってもやっても、終わりが見えない。
だから、ここまでやったら終わりにすると決めて、
その決めたところまでやったら帰る。
そうしなければ、体がくたくたに疲れるからだ。

とりあえず、シフトを大まかに決めたところで、
終わりにすると決めていた。
それも終わってパソコンを閉じ、首と肩を回す。
久し振りのデスクワークで根を詰めることはない。

オルテンシアに戻ってこられた。
日常に、僕はどうにか戻ってこられた。

平凡である日常に、ありがたみを感じながら、
僕はオルテンシアを出た。
この時の僕はきっと、笑っていたと思う。

すると、ドアの脇に彼がいた。

じっと僕のことを見つめている。

僕がオルテンシアから出てくるのを待っていたんだ。

体が固まって足が竦んだ。
どう声をかければいいか判らなかった。

「お疲れ様、公明」
「あ‥ああ‥」

引き攣っているであろう僕を見て、彼が余裕に笑う。
その笑みは黒くて、ぞくりと背が冷たくなった。

「話があるから待ってたんだ」
「そうかい‥」
「どんな話なのか判ってるよね?」

言われなくとも判っているとも。
避けていたって解決する話なんかではない。

こうして、きちんと向かい合って、
いつかは話さないといけない。
そして、問題をしっかり解決しないといけない。

それが今なのだ。

僕は唇を噛み、彼のことを見る。
「僕もちゃんと話をしたいと思っていたよ。
 もう、これで終わりにしよう」

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